金曜日

北海道出張:出張中に何とか解決したい問題を設定していた。「マルコフ過程に対して時間粗視化した変数の時間変化の有効記述を出せ」という、これまで何度も考えてはみたものの、妙案がないままにここまできた問題である。中山さん、伊丹さん、中川さんとの話で、今こそこの問題をやらないといけない、、という機運は高まっていた。

といっても式を書いたところで何にも見えない。まずは、マルコフ鎖に対して、時間粗視化した変数がマルコフ鎖で書ける可能性から考えることにした。こんな可能性はゼロと即断してはいけなくて、時間粗視化した変数の選択には自由度があり、そこをうまく使えばできる可能性はある。はるかにのるまでは、頭の中でくる。はるかでノートをひろげるが、うーむ。記憶が残るのが一般的だが..。飛行機はずっとノートを開いていた。やっと自明に見えた。これでいい。。非常に形式的だが、マルコフ鎖 -> マルコフ鎖 を時間粗視化でつくれた。これはこれで形式論として調べることはあり、川口=中山の議論がそこでどう変更されるのか、知りたいところだ。しかし、今は先にいこう。この形式論でとどまるのでなく、具体的な問題で、具体的に時間粗視化する。考える例題はもはや定番のあれである。

途中からこの計算は、昨年秋にやっていた例題の計算と同じ数学的構造を持っている。だから原理的には絶対に計算できる。しかし、複雑なので途中までしかやってない。まぁでも、これでひと区切りだ。今回僕の機運が盛り上がった理由は、先週聞いた中川さんのアイデア(4月にノートをいただいていたのだが..そのときはmathematica で書かれていて読む気がしなかった)がいい感じで、それを伊丹くんが標準的な枠組みで整理整頓してくれたのを受けたからだったのだが、中川さんのそのアイデアは少なくとも時間粗視化で得られる有効記述ではない、ということになっているようだ。(奇跡がおこってここからウルトラキャンセルが発生して一致する可能性はゼロではないが。。)一致しない、ということはそれはそれで重要な情報を持っているので、あと一歩踏み込んで考える。。