水曜日

うーんん。不完全だった。たまたまなのか、ある部分については完全に非自明に出ているが、例えば、本来0であるべきものが0にならず、おりゃおりゃと汚いのがわいている。このごみを消さないといけないが、なかったことにする、、とか消しゴムで消す、というわけにはいかず、厳密にゼロでないといけない。

どうしたことか...とあれこれ考えた。結局、まだ綺麗に形式化できていない部分があって、まぁでもそれはテクニカルなことで後でエレガントにすればいいや、、と思っていた部分だが、どうやら、そうではなくて、そこが明晰になっていないために、ごみがわいているようだ。このゼロであるべきものがわいている様は、過去に経験があって、特異摂動を下手くそに設定したときにでてくるやつとパタンが似ていることに夜になって思い出した。

大まかな方針はこれでいいはずで、「流体方程式」はこの立場で導出されるべきだというアイデアは残したい。ただ、摂動展開の部分が系統的になっていないので、これを何とかしないといけない。これは(経験を積んできた)僕には絶対にできるはずで、流体方程式の導出というずっとやりたかった問題で、その経験が活かせるのは人生でそう何度とあるまい。

深夜、自明にゼロにならないといけないものは、ゼロになった。ふー。

少し解説:流体方程式は、希薄気体を除いてミクロ世界からは導出されていない。その一方、おそらく幅広く正しい。そのギャップを埋めるのは自然な問題だが、非常に難しい。誰もが思う素朴な筋はあって、りゅーびる方程式の解を局所保存量の変調(=hydordynamics)とそれ以外で書けばいい。ボルツマン方程式の解に対して実行したプログラムをりゅーびるでやればいいじゃん、、と思う。ところが、ぼるつまんのときと違って、保存量でラベルされた1体分布関数の未摂動解がありまして... という特異摂動の定番的なことを使えない。また、多体相互作用のチェインは全く切断できないので、1体分布関数レベルの話ではない。局所平衡が未摂動状態で長波長変調をうける、というのは物理的にはおそらく正しいが、そういうことを形式的に書いたところで、摂動的設定にのっけて閉じた方程式を得るのは絶望的である。しかし、流体方程式の普遍性をみるとき、それを自然に理解する道があるはずだ... と若かりしときに思っていた。手も足も出ない問題だが、時々は考えていた。特異摂動を系統的に勉強した87年頃やイリノイ風くりこみ群を勉強した95年頃には、少し時間をとって再考したが、やはり手も足もでなかった。(要するに「それらの」解法パタンにのらないから。)そういう問題だから思い入れもある。