月曜日

粒子系の「平均場理論」...。例えば、ガラス転移でもMCTやレプリカ理論などは、格子系なら、無限レンジ相互作用で厳密に成り立つ模型がある。そこから有限次元への展開は簡単ではないがともかく拠点はある。他方、粒子系だとMCT近似や液体論+ケージ展開などで「平均場近似」(のようなもの)はある。両者の関係は簡単ではないが、それ以前に、その近似のようなものというのがすっきりしない。むしろ、粒子系でMCTやレプリカ理論が厳密に成り立つ模型があれば、それを拠点にできる。テクニカルだけど、そういう方向にすすめておくのは大事だと思う。何とかなるかなぁ...というあたり。[これまでに理解したことは、川崎先生が数年前に仰っていたことをやっと分かった..というレベル*1。ここからが勝負。] もうひとつ、ボルツマンマスター方程式という玩具の位置づけを真摯に考えざるを得なくなっていた。これは数学的にはマルコフ確率過程で色々な計算ができるのだけど、有限次元の話との対応はさだかではない。これも平均場理論ちっくなものかな..と思っていたが、今日やっと少し風景が見えた。あぁ、なるほど...すごく違う。

ガラス系と非平衡系のそれぞれで、偶然、どちらも平均場理論の模索だが、確実に理解が進展したと思えるのは嬉しい。(夜遅くになって、2次元MDの10年前のプログラムを発掘して、どうしようかなぁ、、と考えていたところ。平均場と有限次元の違いを完全に理解するため。あぁ、しかし、MDは大変だな。10年前は経験ゼロから一気にプログラムを書いて、やっているときは毎日速攻で別バージョンを書けたのだけど。。)

*1:今日の大学院講義で、Kawasaki-Ohta をもっとも物理的描像がはっきりしているように説明した。原論文とも数学者の証明たちとも蔵本さんの説明の仕方とも違う。カットオフを明示的に入れてカットオフ依存性が出ないような形に持ち込んでカットオフをはずすという説明の仕方は文献では知らない。もちろん、後出しなのでクリアーなのは自明で、研究に対する僕の評価ではもちろん原論文がもっともすばらしい。非平衡にしても今のレベルだとまだ川崎先生の70年前後を超えていないしなぁ。ガラスの「その平均場の話」までも川崎先生の掌の上か..