日曜日

講義の準備:2限。これまで温度が空間的に一定と仮定していたが、例えば、下板と上板で温度が違う場合には自明に温度が空間的に不均一になる。講義では、これまでも、絶対に成り立つ部分、仮定/要請によって成り立つ部分を煩く分けている。温度が非一様な場合でも、「まぁこんな感じだよね」という論法はとらず、これまでの設定だけから絶対に成り立つところまでもっていく。結果はちょっとぎょっとする。そして、この結果をきちんと捉えるのは流体力学の醍醐味のひとつ。いくつかの復習も入るので、明日はここまでかな。今後の日程をみても焦る必要はないだろう。

3限。特異摂動の例として、ばね定数をゆっくりと時間変化するときのエネルギー変化を考える。この数日、ちょくちょく計算していて、中々うまくいかなくて困っていた。今日しかないので、朝から丁寧に計算するが、どうも複雑になってしまい、どこかで間違っている。まいったなぁ。。と休憩したら、あ、そうか、、こうすりゃいいんだ、これこそが講義で強調している考え方そのものではないか。。何とかできた。ゆっくり極限では、エネルギーを振動数で割ったものが不変になるが、変化速度をスモールパラメータとして、エネルギー値の準静的極限からのずれを摂動的に計算するのが課題である。面白いことに、そのスモールパラメータで冪展開したときには、ずれはずっと0になる。15年前、自由度の大きいカオス系やランジュバンでそのずれは速度の2次からはじまることが分かっていたので、具体的に調和振動子で計算しようとしたのだった。摂動計算で2次からはじまる結果を得たのだけど、小松さんの数値計算とは見事に違っていた。正しい振る舞いはランダウに書いてあるとおりだが、少なくとも速度についての冪展開の摂動論では0をはじかないとおかしい。(本当は、ランダウの非摂動論的議論を特異摂動の形式の中に取り込んで係数まできちんと計算したかったが、これは時間切れ。)