火曜日

会議2日目:あるばーと(いんぱらと)の非平衡関係式の話が面白かった。複数の熱浴がある場合の熱伝導系で、それぞれの熱浴に流れる蓄積熱流の同時分布についての対称性だった。エントロピー生成の対称性よりも強い。これは知らなかったし、考えてもみなかった。(式と導出は理解したけど、どういう機構が背後にあるのか全く分からない。面白いので自分でも考えよう。)しかも、堂々として、しっかりと魅せる講演だった。3年前の京都の研究会にポスドク枠で招待したのだけど、そのときの発表はボロボロだったが、デンマークで職を得て色々な経験をしたのだろう、全く見違えるほどに進化していた。(彼はなぽりの出身で、しかも祖母がカプリ島出身とかで親戚がいまもカプリにいるそうだ。)それを生かして、せるじおのグループと組んでやった話も小ネタだが唸った。聞けばせるじおのところでそのテーマについて議論をはじめたのは、僕の2007年の講演に影響を受けてのことらしい。結局、それはおいといてまずはできるところから..ということらしいが、よい感じだな。

また、MDを粗視化して粗視化モデルをつくる主催者大学(ドイツのふらいぶるぐ)でのプロジェクトの話は、森さんの射影演算子と連分数展開でやっていたので、ロングタイムテールがあったらだめだろう、、ということを一応コメントだけした。彼は、川崎さんの話はまだ知らないといっていたが、実によく勉強していて、どう考えてもそのあたりのついてはぼくよりも知識があるし、いろいろなことを考えていて話をして楽しかった。

実験では、単一電子系をつかって仕事等式を見るのが印象的だった。りおん(せるじお)やしゅつっつがると(うど)がいるまえで今までのどの実験より精度がよい、、と啖呵を切ったが、おぉ、少なくともりおんのデータよりは綺麗なのでは?さて、しかし、これをどう展開していくのがよいのだろうか。せっかく、そういう方向からの実験がでてきたのだし、考えないといけない。

あと、量子散逸系というのか、量子ノイズというのか、量子振動子というのか、、そういう発表も多い。さすがに招待講演の方は魅せていたが、全体的にはうーんん何かなぁ。