水曜日

(日にちが日本時間になったので間違えた。昨夜書いた分を9/11に移動。)睡眠時間が短いまま早朝に目がさめたので入れ替えて、ついでに研究会とは関係ないことを書く。

昨夜も夕食を遅くまでやっていて、22時になったところでこれ以上は過酷なだけなので、みなより先にホテルに帰った。(眠くて頭もふらふらするから。)道は大層複雑で、すぐに迷子になりかけるので、ipad で現在位置を確認しながら移動する。これで昼食のときも自由に散歩できる。どこにいっても場所が分かるのは本当便利だ。

知った道になったところでipadはいらないのだが、ついでにメールチェックしようと歩きながらipad のメールを開くと、prl からacceptance という件名のメールがきていた。あわてて中を見る。おぉ、ぴゅあがらす論文、最終的には、ふたりの査読者が高い評価を書いてくれている。

このぴゅあがらす論文、僕は大層気に入っているが、内容的には全然prl っぽくない。prl 論文の多くは、その分野のトレンドに沿っている。査読者が「専門分野を超えて意義がある」と書かないといけないので、そのためには査読者が問題設定の背景を共有しないとそういう位置づけの文は書きにくいから。ちょっとはずれたところから問題をたてると、そもそもそんな問題の意味が分からないので、「正しいけれど一般性的興味をよびおこさない」となりがちになる。査読者としての経験と投稿者としての経験と掲載された論文全体からの印象である。ただ、査読者がその分野の専門ど真ん中というばかりではないので、確率的に全く不思議な論文が掲載されたりもする。

今回は、ガラスに対する研究群の中では、異端中の異端であり、つぶそうと思うといくらでも作文ができる。「数理的には面白い可能性はあるが、現実のガラスと関係がないので一般的興味をひかないだろう。専門誌に投稿せよ。」となるかなぁ...と予想していた。(何たって128状態近接相互作用模型だぜ〜。笑ってしまうだろう。)しかし、全く予想外のことに、第一レポートから、問題の意義は理解されていた。そうすると、そのあとは、その問題設定の中でどこまで到達しているか、という判断になる。ふたりともその点について冷静にたくさんの批判をしてくれた。特にひとりの査読者は、到達点についての位置づけを僕以上に理解しているオーラが漂っていた。現時点で不十分なことは百も承知で、非自明な進展を理解してくれた。査読者に恵まれたといってよいだろう。(ふたりの顔と声は浮かんでいるので、レポートは顔と声つきで聞こえる。間違っているかもしれないが。。)

ただ、ガラスを研究している多くの人からは、「間違って受理されてしまった不思議な論文」と思われる可能性が高い。また、いわゆる被引用回数とかいう基準だと、この論文を引用する人は現段階ではほとんどいない。そういう状況を再確認して、次の展開を真摯に模索しよう。まだ始まったばかりだ。