金曜日

飛行機が立つのは夜だった。研究会は昼までだった。早便に変更できるかと思ってきたけれど、だめだった。

今日の坪田さんの話は非常に面白いだけでなく、やはり、自分たちでも考えるテーマだと再認識した。すでに、論文には目を通していたが、直接聞くと大きな刺激を受けた。あとでいくつかの点について意見を伺った。理論としての最大のポイントは、"Kolmogorov class" というべき現象群の同定にある。その昔、NS乱流の普遍性について論文を読んだり、手を動かしたりして、相当な時間を使って、自分なりに考えたことはあった。論文にすべきほどのことはわからなかったけれど、いくつかの個人的知見も得ていた。しかし、その知識や経験を踏まえても、量子乱流が Kolmogorov class に属しているのは、全く想像できない。極めて、簡潔、かつ、非自明な話だと思う。どうやって研究しようか。どこからはいっていくか。理論としての攻め口はどこか。。あれこれ考え始めた。 タイミングがあえば、集中して取り組む時期がくるかもしれない。

昨日の永井さんの細胞内イメージングも強烈だった。自分の研究として直接関わることはないけれど、迫力ある話を聞くのはそれだけで楽しい。そういう分野が活発に展開していることは薄々は聞いていたけれど、これからも飛躍的に進展するに違いない。また、その技術はもっと「物理的対象」にも生かされてもいいように思う。そういうのを考えるのは面白いし、何かないかなぁ、、と少し考えてみたが、浮かばない。

おとといの小林さんのぼるぼっくすの運動も迫力があった。しかし、僕の生物力学の興味は、生化学と力学の接点なので、流体側で攻めきる路線は少し趣味が違う。(もちろん、科学としては、不可欠な要素であるのはいうまでもない。)生物力学っぽい話は、いずれまじめに考えることがあるかもしれないが、やはり僕には難しいかなぁ。

自分の発表は、時間調整がダメ。後半をゆっくり確保するために、前半を少し急ごうと決めて入ったら、急いだまま加速してしまった。。つまり、失敗。はじめて聞く人には、「えらい早口で元気なおっさん」という類型パタンにうつったかもしれない。でも、まぁ、伝えるべきことは伝わったと思う。これは「本当だったら、非常に面白い」というのは、間違いない。今の段階では、相当にいいけれど、その確信にはあと一歩たらない気がする。何をするのか、何を抑えるのか、、と常に沸いている。

懇親会では、部屋の隅にひとりでまっしぐらにいって、誰が来るのかにまかそう、という(よく使う)パタンにした。隣にきた人が、懇親会終わりごろになって、「いやぁ、しまった。怖い人の横になってしまった。どうしよう...と最初は思っていた。」と打ち明けてくれた。そう見えるのかな。まぁ、不機嫌な顔していることも多いし。始めてお会いした工学部の方だけど、世間は狭く、共通の知人もいて、研究テーマもひとつ向こう側くらいの距離だった。(というか、その論文の存在は知っていた。著者をきちんと理解していなかった。)折角の機会なので、論文を読ませていただこう。

さぁ、戦闘開始だ。