土曜日

朝、今後の展開をぼーと考える。サイズが小さいところで綺麗でないのは仕方ないので、手持ちのデータで真面目にやるかどうかだけを検討する。このこぶもどきが成長すればいいのかな。福島さんのランダムグラフのデータでもサイズが小さいところではこぶは小さいし。。

というわけで、プログラムを0から書き直す。今のはあまりにも汚いし、効率悪いし、他人に見せれるものではないから。こういうことは普通にある。手の計算でも最初はざっくり見るので、細かいところでおかしかったり、計算の仕方がベストでなかったり、ドロドロしたりする。次のステージにあがるときに、それまでのノートをばっさりと捨てて、最初からやりなおす。プログラムでも同じで、書きなおす手間を惜しんではいけない。

昼過ぎには、新版が動き始めた。今度の版は、蜂の巣格子の特殊性は最初に一度だけ呼ぶようにして、時間発展はどんな格子でも共通になるようにした。必要があればカゴメパイロクロア(=正4面体が3次元的につながっている格子)に拡張することもできる。プログラムの構造もすっきりさせた。

計算時間が早くなったのは当然だけれど、結果が微妙に違う。16x16 で既に「目でみえるこぶ」があるではないか。小さいサイズで丁寧にみると、最密充填への収束が早くなっていて、矛盾した配置をとっているわけではない。うーむ。。これが本当でこのこぶがサイズとともに成長すれば、K-点が存在する強い証拠になる。これは楽しくなってきた。(サイズを変えた実験やランダムグラフの実験などをざざーと流しておく。)

K-点を測定量だけで特徴づけるなら、「状態方程式は連続で、圧縮率が不連続に変化する点」である。通常の1次転移では、状態方程式と圧縮率の両方が不連続になる。また、K-点そのものは通常の操作では観測されない。もしあるとしても、それは(実現できない)平衡状態の性質としてだけ存在する。異常性はすべて動力学を通じて把握される。僕は動力学に興味があるわけだけど、動力学の本性を正しく理解するために、見えない特異点があるなら、それを明示的に理解したいからそこに突入している。

K-点は60年以上の歴史を持っているが、まだ玩具模型の数値実験ですら確認されていない。「蜂の巣格子上のBM模型がそれに違いない」というのが僕の予想であり、その確認を目指している。ここ数日は数値的にやっているけれど、もし、確かに特異点があれば、厳密に解けないとおかしい気もする。