木曜日

今年度の物理数学の講義は、一切のメモをなしで、黒板で具体的な計算をしながら、「ここでこの式の匂いがわかりますか。。?」みたいな話をしている。その一方、「絶対に計算を間違えますから、よーく見ていて間違いをはやくみつけてください」ともいっている。

今日は何回間違ったっけ。4−5回かな。でも、皆さんがちゃんとみつけくれたので、とりかえしのつかないことにならなかったからよかった。「匂い」というのは大事なことで、例えば、「ここの \pi と この L は仲良しなんです。だから、ここにあるsqrt{L}とここのL とあわせて \pi と切り離すようなことはしてはダメです。」というようなこと。まぁ、学部の物理数学程度の計算なら(間違わなかったら)どうやっても計算できるのだけど、ぎりぎりのところでは、匂いをかげなかったら、計算が最後までできない何てのも普通にある。そういう教科書にはない生き生きした感覚の香りを昨年以上に伝えることを意識している。

その後、北畑さんのセミナー。「界面の非平衡動力学をしっかり理解し、未解明の現象への端緒をつけよう」という観点であれこれ議論する。論文にはなっていないけれど、実は、研究室内でもそのテーマに時間を費やした学生も複数いる。本来なら教科書で書かれているべきなんだけど、明晰な話もない。それゆえに面白い現象を考えるときもふわふわしてしまっている。時間割に組み込みたくなった。

Doi-Peilti 関係の状況も似ているかな。本来、教科書レベルなのに、review 等の出発をみつ限り、中々苦しい。