火曜日

寒い。ありがたいことに、電車の中に暖房が入っている。

日曜日にrandom k-core のちょっとしたデモデータをとっていた。論文に向けて構成を考えるために、まず見栄えをよくすることを考えてのことだった。ちょっとした作業でできるはずだったが、月曜日の朝の講義後にそのグラフをみて、驚いた。え、、デモとして想定していた振る舞いと違うやないか。。

慌てて色々なことを考え始める。火曜日の21時現在、まだ確実なことは理解していないが、強い有限サイズ効果が(思っていなかった形で)でてくるようだ。例えば、今のサイズ(8192 ノード)では、時間のスケーリングのbest fitting が理論と違う。(この指数は仮定をおいていないので、勘違いでなければ厳密はなず。)\chi_4はの発散の指数はいいが、(僕らにとって大事な)θのゆらぎの発散の指数が、θの操作的定義の仕方で指数の値が違ってみえる。混乱の極みだが、同時に、全ての指数が厳密にわかっている簡単なモデルで有限サイズ効果の出方を岩田さんが調べて、簡単なモデルでも部分的にはそういう異常性がありそうな雰囲気がでてきたので、少し安心しつつある。(いずれにせよ、指数の値を数値的に決めれるほどの領域は確保できていないのだけど、「乗りかけ」ているくらいはでてほしかったのだが..)

ある種の問題では、こういう指数はフロント伝播の速度に関係づけることができる。そして、フロント伝播速度は強い有限サイズ効果を受ける。たとえば、Fisher-Kolmogorv でも Ginzburg-Landauでも係数を1にしたときのフロント伝播速度が2であることは、80年代には常識だった。(証明されたのは70年代。)ところが、これを数値実験をすると2からかなりずれる。これは、伝播速度に1/(log N)^3 というちんたらした補正があるからである。今の問題でもそんな感じにみえる。16382 ノード以上の計算は、プログラムを最初から変えないといけないし、僕には出来そうもないので、N 依存性はおて上げだ。

ちなみに、純粋な数値実験のデータだけだと、緩和曲線はstreched exponential で綺麗にfitting できる。しかし、理論的にはこれは絶対にありえないことを知っているので、有限サイズ効果からくる難しい寄与の結果、あるいは、間違ったfitting である。なるほど、これが理論ではありえないのに、数値的に「よく観測される」パタンか..。こいういうのはそもそも理解できるのか?ちなみに、ここで有限系の数値実験で観測されている振る舞いは、粉実験とよく似ている。(k-core の正しい理論の振る舞いとは違う。)粉の粒子数も実験でも数値実験でも無茶苦茶小さいからなぁ。