土曜日

定常分布の表現:fluctuation theorem などの恒等式を生むlocal detailed balance の性質からエントロピー生成の経路積分として定常分布がかける、ということをずっと気になっていた。その表現から、系統的な近似で、定常分布の表現をもとめておきたかった。もちろん、この場合の系統的な近似列にも色々な選択枝がありえるので、なるべく使えるもの、なるべく意味ありげなもの、なるべき汎用的そうなもの、、を試行錯誤でもとめようとしていた。

5月の計算とこの2,3日でかなり使いこなせるようになってきた。例えば、線形応答領域で過剰エントロピー生成が余分の寄与に加わる、というよく知られた結果を最低次として、次のオーダーでnon-local な寄与をひろっていく近似列のつくりかたもわかった。(技術的には少しだけ面白い(=はじめて遭遇した)細工がはいる。)しかし、今いちだな。計算できるように絞込みすぎて、綺麗な構造というか見通しがない。DLS 解の対応は、(確実にできると思うけれど)ちょっと難しい処理が介入してやめた。この相加性原理は、ある種の可積分性と関係するのは間違いなく、物理としての意味はおそらくないように思える。もうすこし緩やかな変分原理は残るかと思ったけれど、今のように絞りこんでしまば、それも消えた。(特異摂動っぽくならないから、、当初のイメージとは全然違ってしまった。)

しいて利点をあげれば、Jona-Lasinio グループがやったことの素直な版になっている。adjoint は混乱するだけなので使わない方がいい。Hamilton-Jacobi は(必要に応じて)最後にもってくるべき。分布をいきなり求めるのでなくgrand-canonical の補正を計算する形でもとめていける...とか。)また、90年代のEynk らの論文が意図したことの完全版にもなっている。  

やはり、定常分布の表現から何かを学ぼう、とするのは問題として適切ではなかったか。うーーん。まだ、tex ノートを書いていないが、もうひとつ気分の踏ん切りがつかない。ずっと気になっていたことではあるので、ノートをまとめてそれをみながら別の機会にまた考えるくらいでいいのかもしれない。