金曜日

χ_4 問題:実は、動的相関長の発散の指数が、宮崎さんたちやFranz たちと違う。まったく違うアプローチの第一近似とはいえ、気になっていた。朝おきたとき、ひょっとしたら、、と思うことがあって、計算したが、指数の変化はなし。指数を議論している文献をできるかぎり落として、指数のところだけみる。ほう、Biroli-Bouchoud と同じではないか。。。この2年前の論文は公表されたときに読んでいたのだが、何のこっちゃ全然ピントがあわなかった。[3年前と思ったら、2年前だった。]今や、眺めただけで読むべきところがわかる。また、実験データは、今のところ、指数まで信頼できるものはない。今は、無理に指数の値にこだわらなくていい、、と判断した。

セミナーふたつ:渡辺さん(名大)は、Nose-Hoover 熱浴が熱浴として機能する条件について。一般論はほぼ不可能なことだから、ポイントのあてかたが難しい。実際的には、「成り立つべき条件(揺らぎの式とか)が正しく成り立つこと」をチェックする、という普通で地道なのが一番だと思うが。 昼食のときに、3次元系や2次元系の固液転移についていくつかのことを教えてもらう。2次元の変態性は噂くらいには聞いていたが、3次元の問題については、僕はまったく自覚的でなかったので勉強になった。


藤谷さん(富士通)は、計算機実験で薬の機能の仕方を調べるのに、Jarzynski的関係式が有用である、という話。普通の系だと、自由エネルギー評価はEhrenfest 流でやるのが健全で、Jarzynksi 的にはしんどくなる。それが、たんぱく+薬で結合エネルギーを評価する際には、逆転がおきているらしい。Jarzynksi の有効性というより、Ehrenfest の非有効性が鍵だと思うが、どうもイメージがはっきりしなかった。そういえば、Hukushima-Iba もあったが、、結論が灰色的だったような記憶があるけど、、はっきり思い出せない。[ 補足:(福島さんから連絡をいただいた。)Hukushima-Ibaでは、両者が同程度になるまで追い込んだらしいが、逆転がみえなかったようだ。話は聞いていたけれど、計算が困難になっていく感じをわかっていなかった。なんか、逆転がおこるならその物理を理解することは大事だと思う。応用上大事なだけでなく。]