木曜日

昨日の話は、まだ幻ではない。たぶん、山登りがおわった。べき発散することもべき指数の評価の仕方もわかった。物理数学がたっしゃな人なら、即答できるであろうある積分を評価しないといけなくて、まだちょっと手ではできていないが、数値積分をやると、とある実験値と一致する。ただし、この指数の値は、すこしデリケートで普遍性がどの程度あるかよくわからない。実際は、色々ありえるのだと思う。しかし、僕らの意味でもっとも簡単な指数の値が実験でもちゃんとあるのはうれしいことだ。

算数としては、経路積分の評価が問題だった。僕は、経路積分の評価方法として、自由場からの展開か、(WKB的な)古典場からの展開か、ぐらいしか知らなかった。今回、最終的に有効だった解析方法は、そのどちらでもない。「理論家なら非常に楽しめるもの」だと今から宣伝できる。(ひょっとしたら場の理論の方で類似研究があるかもしれないので、話がまとまったら橋本さんに聞いてみよう。あったら驚きであるが、、、。)

物理としては、χ_4 の発散をまったく新しい視点から理解できる。そして、こういう筋をつかまえると、たとえば、手許にある粉体実験でのχ_4 についても何かできそうな気がする。粉のjamming は、ガラスとにている部分と違う部分がある。たとえば、粉のχ_4 に関しては、今回の手法はそのままでは使えない。しかし、考え方として活かせる可能性がある。それも頭の片隅で考え始めた。。

粉といえば、はたのさんの結果をOtsuki-Sasa 路線で解釈して、指数を与える話は、日曜日の(はたのさんの)問題提起が、はたのさんと大槻君の素早い仕事ぶりでほぼ解決をみた。結果は肯定的であり、7月中旬論文投稿に向けて再発進することになるだろう。この研究については、僕は波多野さんの結果をOtsuki-Sasa による強引な解釈を与えて全体の論点整理をしただけで、研究の実質的な部分は、波多野さんと大槻君に依存している。とくに、今週は、ふたりが走るのを横でみていただけである。

この1月をふりかえると、1年くらいに感じる。この1月、研究上は、2勝1敗1分けだった。とくに、χ_4 に絡んだ話は、久々の大きな山登りだったので、今はなんともいえない爽快な気分である。もちろん、この間、会議、査読、講義などの日常はこなし、かつ、新たな申請書も提出した。10倍速くらいで生活していたので、1月が1年なのも無理ないか。。