木曜日

粉体のずり指数:いくつか気になる点があったので、大槻君と議論する。一旦、完全に破綻したかにみえたが、直ちに別案をだして復活した。まだまだ気がぬけない状態だが、論文の話をはじめる。この最近の展開には、波多野さんのデータが基本にあるが、未公表なので、著者にはいってもらい、問題とするグラフをひとつもらう(ことを波多野さんに了解してもらった。)この説明に、限界安定性仮説とOtsuki-Sasaを使うのがアイデアではあるが、物理の自由度がありすぎて指数が一意に決まらない。そこで物理的仮定がいくつかいるのだが、実験結果と矛盾しない仮定は絞られてくる。限界安定性仮説, Otsuki-Sasa の検証とともに、関連する色々な指数を全部大槻君がとってくれているので、これらが全部つじつまがあえば、なかなか楽しい話になりそうだ。[ぽしゃらなかったら、論文はHatano-Otsuki-Sasa で公表する予定。]

ちなみに、限界安定性仮説は結晶成長に関連してLanger が広めたことで知られているが、むろん、ロシアに先行研究がある。そしてこの仮説はうまくいく場合もあるし破綻する場合もある。それらを含めて全部説明できる可能性を示したのがグレンのD論である。また、Bak らのself-organized criticality (SOC)の最初の論文は、明示的に、限界安定性仮説そのものだった。波多野さんのデータがSOC っぽいのは、セミナーではじめてちゃんと認識したが、12年ほどまえに、奥園さんが川崎さんとの論文で泡のレオロジーでSOC 的なことを議論していたのを思い出したので、論文をとってくる。