金曜日

パリ会議4日目。朝、PouliquenとDauchotに順番に話をする。ふたつの話が僕のなかで錯綜していた部分があったようだ。議論の途中でBouchaud の講演にいく。論文と同じように、モデルとか条件をいわずに、計算すれば動的相関長が発散する、ということを色々な状況証拠とともにいうのはきにいらないなぁ。You do not specify a model in your analysis. Is your analysis independent of the choise of model? という質問をするが、(MCT の範囲で)generic というので、of course, some models exhibit no glass transition. what is the condition under which your analysis is valid? と追加の質問をする。ミクロからわかるようになるのは重要なことだけどね。。。とかわされる。気にいらないが、ともかく、理論がないというの等価だとみなすことにする。ただ、フランスでは強力な影響をもっていて、数値実験や生実験がその路線で次々やられているのはすごいなぁ。違う立場で僕がやはり理論をつくりたくなった。(というか、そこで提示されているようなシナリオをもっとも美しく理論的に示せる可能性があるのがIwata-Sasa だと思う。一刻もはやく論文にしたい。この会議にまにあわせたかったのだが。。ちなみに物理学会では、MCT より難しくみえる理論だとか、MCT と同じ理論とか、、というコメントだったらしいが、Bouchaud の話を聞いていて、(僕たちが)正しい道をいっている確信の度合いを強めた。ただし、この会議でも問題になっていたように、そもそも非エルゴード転移が消える可能性までまじめに考えたときの筋はまったくみえないけれど。)

Ferix Ritort とやっとあえた。挨拶をしたときは、もうお別れだった。彼の講演の後半部分は、ひっぱりつづける非平衡条件下での山越え確率の平衡部分からのずれを(実験と理論の両方で)議論していた。これはもうほとんど僕らののりと同じだけれど、そこの話の質問ではなく、あえて前半部分の展望としていっていた非平衡熱力学の可能性の部分について質問をした。分子モーターを例題にしていたので、(そういう複雑な系だと)状態変数の選択をどうするのか、という質問だが、力かけているからその共役なものだけでいい、という答えだった。それ以上に考えているのかどうかはわからない。内部自由度のうちどれくらいが関わってくるのか、というのが重要な問題だと僕らは思っているけれど、彼の真意はわからない。

Ritortの講演後少しだけ議論していると、Cugliandolo とこのpost-doc たちとの議論の時間がなくなってしまった。(今日も休み時間ごとにしていたのだけど。)コーヒーをいれたときにHenkel が話しかけてしまい、post-docたちとのアポが後ろになってしまった。結局、あとはメールで、、とpost-doc たちやHenkel にもいう。Post-doc のひとりには、具体的な研究課題の提案をしてみた。のってくれるかどうかはわからないけれど。かえるときには、Kurchan と Kob にはあえなかったけれど、Cugliandolo, Sollich, Ritort には挨拶をしてきた。(Cugilandolo には、日本にくる機会があるなら連絡をよこしてくれるようにいっておいた。)

もう一週間あれば、もっと楽しかっただろうと思う。いまから帰る。(ここまでは空港でなぐりがいた。しかし、ネットは便利だ。)

今、飛行機の中!(エコノミーなのだがインターネット接続ができる、というのでやってみた。) Culiandolo のPD からメールがきていた。僕の提案にのるらしい。うまくいったら一緒に論文を書こうぜ、、とのこと。よきことだ。Kurchan からの質問を本気で考えようと思い始めて、10月中にノートおくるわ、、、というメールをKurachanに書く。(彼の学生が興味をもっているらしいので、うまくいったら一緒に論文を書いてしまおう。)

外出もこういうことがあるから意味があるんだよなぁ。実際、昨年の秋に青森学会にいったからこそ、Harada-Hayashi-Sasa, Harada-Sasa *2, Teramoto-Sasa がある。論文が全てとはいわないが、新しいことを考えれるきっかけを得れれば、そのために失った時間を補ってあまりあるようになるのだろう。(でももうしばらくはいきたくないな。疲れたから。)