木曜日

パリ会議3日目。(プログラムにないので名前がわからない)某さんが振動粉体の実験で、動的相関長を測定していた。いずれそうなると思ったが、さすがに早い。データもしっかりしていたが、あまりにガラス系と対応していてかえって面白みがない。粉体のややこしいところである、外部入力依存性はどうなっているのか、、と質問する。無茶苦茶楽観的な答えがかえってきて、少し拍子ぬけした。(しかし、理想化した状況をつくって綺麗なデータを徹底的にとるべし、という態度には賛成。)

Biroli の(quenced disorder がない)格子モデルでの非エルごーど転移が存在することの厳密な証明というのは、証明のスケッチを聞いても全くピントがあわなかったが、結果はあってそうだしたいした話だと思う。しかし、昨日の準安定状態の考察による否定的な(こちらも厳密な)話との関係で混乱した。困ったときの Kob 氏で、意見をきく。格子モデルは far from physics で、昨日の準安定状態を(玩具モデルで)まじめに考えるほうが本当の物理に近いであろう、、とのこと。僕は、まだ、そういう感じが(気にはしていたけれど)全くみえていないので、それをまじめに考える話を聞いて、考えていくきっかけをもてそうになっただけでもこの会にきた収穫はあったか。

Tarjus のガラス系の熱力学的性質とモデル研究のくいちがいの話は、興味をもって聞いたのに、一般論過多のひどいプレゼンで筋がみえない。途中で質問をはさんで、何とか雰囲気はつかんだが、肝心のところは喋らずじまい。内容には興味をもっているので論文をあとでみておこう。

この3日間でスピングラスの実験、理論、数値実験の話はたくさんきいている。さすがに飽きたので、もう1年くらいは聞きたくない感じがしてきた。(吉野さんの話は、あらためて書くかもしれない。)