水曜日

午前のうちに今日のミニマムのTo doを全力で済まし、12:20から王君と話をする。月曜日のセミナーでのポイントを僕の言葉で整理し、僕の論点を説明する。(x,y)複合系があって、yが速い系、xが遅い系。yに対してxは局所平衡化しており、かつ、yの運動も平衡ダイナミクスでかける。このとき、a) yについてはFDTが成り立つが、x についてのFDTが成り立たず、b) 系全体のエントロピー生成は生である。b)は、Kawaguchi-Nakayamaの一般論でいうところの「隠れたエントロピー生成」なんだが、その分離した極限における非平衡の機構がよく見えない。運動だけみたら全部平衡っぽいので、気持ち悪い。で、説明しながら、思いついた攻略方法を説明したところで、昼ごはんになった。今日は、川口さんがゲストで、昼ごはんから(当然細胞分化も含めて)色々話題の議論になっていた。で、午後は、川口さんを交えて議論。
 まず、王君が概略の説明。僕が知らない知識や文献を知っている川口さんが補足しながら、山場に入っていく。まず、「隠れたエントロピー生成」での例題たちと質的に同じであることを川口さんが主張し、それは概ね納得した。それでも僕は気持ち悪く、そもそも「隠れた」という表現が変で、別に隠れていなくて見てないだけじゃないのか〜。時間尺度が分離した極限で「ちゃんと見える」表示があるのでないか〜。と、喋り、お昼前のアイデアを喋る。これは、時間尺度の分離が大きい極限では、(x,y)をyでみるのでなく、(\tilde x, y) になるのでないか、というアイデアである。なんのこっちゃといいながら、例えば、こんな感じ?と川口さんが書いたのは、直観的にはもっともらしいけど、それだとエントロピー生成は出ない。あれ、おかしいな。王君も自分の経験から、このパラメータのこんな極限でこんな感じになってないと変だという。うーん、何かおかしいな。いいと思うんだが、何か見落としているなぁ。
 全部忘れて、もっとも簡単な模型を考えよう。3状態模型でどうだ?と僕がいったけど、王君がすぐに4状態模型を書く。川口さんもそっちだ…と。で、4状態模型で(\tilde x, y)のイメージ図を王君が書いていると何かみえてきた。「Y だな」と川口さん。確かに。(x,y)を簡約して得られる記述は(\tilde x,Y) ではないか。そうすると全てが矛盾なく理解できる。まだ描像だけだが、これこそが月曜日のセミナーで僕が知りたかったことである。少なくとも4状態模型だと全部計算できるので、そこで基本事項を学ぶことが必要であろう。それを一般化して、月曜日の模型やもっと広い系に適用できればいい。
 その後、王君は、情報統計力学の話やF_1の話を川口さんから聞き倒していた。