水曜日

朝起きたら、流体論文の査読結果がきていた。昨日、長い日記を書いたことと関係あるのかないのか。。。

この論文、6月中旬に投稿したのだが、ほとんどが僕の手にある。投稿してすぐに、「間違っている」という査読結果が帰ってきて、それに対して長い反論を書いたのだが、同じ答えがすぐに帰ってきた。こういう経験は初めて。

間違っているか合っているか、というのを論理的な意味でいうなら間違っているはずがない。(ミスはあったが。)もちろん、第2法則のミクロからの導出が真の意味で究めて難しくて今でもできないが、初期条件のクラスを仮定するときわめて簡単に理解できる、というのと全くパラレルな構造で流体方程式を捉えているので、そういうのに「本当に」意味があるのか、とか考えると価値は分からなくなるのだけど。それでも圧倒的な見通しの良さはあるよなぁ、と思っていたが、まぁ...マニアックか。。そういう価値に関する議論ではなくて、間違っている、と言われたのだから、間違っていると言われた点について長い解説を書いてアピールしていた。「間違っているということが理由で却下されることはない」というのがこちらの主張だった。ただ時間がとれなかったので、その作業は11月になってしまった。

今回はアピールなので、署名入りの返事が返ってくる。担当氏は、「難しくてわからない。周りの専門家に聞いても意味ありそうだけど分からない、という。で、専門家中の専門家に聞いてみた。」ということで、そのレポートが入っていた。一言で言うと、「価値はあると認められるが、全面的に書き直せ」ということだった。僕の解釈では、流体方程式導出の多岐に渡る論点を小出しにして圧縮するのでなくて、メインのアイデアの部分を強調し、混乱しそうな状況について説明せよ - と。

色々考えて、大数の法則まわりの話は全面的に削除することにした。大事なことだが、ここでは全て仮定だし、議論に入る前段階の部分で、圧縮して書かれてもぼやけるばかりだろうから。初期条件に関する期待値で一般論とか摂動を押し切って、最後に触れるかどうか。。。(長い論文ではじっくり説明する。)

メインは恒等式3つにして、それによって保存量の発展がかける、ということを結果にする。しかし、それだと、60年代ー70年代の研究と一緒になるかもしれないので、もう一度丁寧に過去の論文たちを確認する。似ているが違う。そして、この表現を認めると摂動は一瞬で導けることを前にだす。(専門家中の専門家氏も「流体方程式への、より速く、より直観的で、より直接的な道」と評価してくれた。)

本当に大事なことは、非一様形のグリーン=久保公式でこれはもっと深く理解しないといけないし、今、もっとも大事だと思っている。しかし、理解できていないことを出版論文で書くのはまずいので、そのあたりのバランスを丁寧にみないといけない。