木曜日

ストックホルム会議:くりすとふさんが しのもと=くらもと模型のlarge deviation の解析の話。略して、Shiku 模型とは違和感ありまくりだが、後で聞くと、自分で考えた模型で相図まで書いて文献しらべたら数学業界で活発に研究されていることを知って、元をたどればしのもと=くらもと論文でそこに相図もあってショックを受けたとのことだった。[しのもとさんたちは、active rotor model と呼んでいたはず。今の active なんとかの走りだな。また僕がM1のときに坂口さんがactive rotor model (Shiku模型)のTakens-Bogdanov 分岐の解析をしたセミナーは今でもよく覚えている。篠本さんのコメントとか動画つきできちんと脳内再生できる。] ただ平均場になったからといって真面目な話ではそう簡単でもない。くりすとふさんには、色々な話のついでに、相加性原理の普遍性についてどう思っているか聞いてみた。その話を聞いている途中でバンケットにいく時間になった。

バンケット修士はぶれいさんのところで秩序化をやっていて、phDコースで遺伝子表現の確率過程模型のうんたらをやりはじめて6か月という学生が、バンケット終盤になってなんの脈絡からかわからないけれど、過剰エントロピー生成の重要性について演説をしていた。その過剰エントロピー生成の定義は?と聞くと、dual を使って定義する話なので、「Hatano-Sasaの定義だね」と確認すると、「そうだ、、Hatano-Sasa の場合は。。。」と意気揚々と解説してくれる。バンケットがはじまる前にその学生にも名乗ったし、会議で発表したのだから、僕がSasa というのは知っているとは思うのだけど、何か不思議な感じだな。(ましみにあーのの夏の学校の講義とうどのレビューで勉強したらしい。)「NESSに操作をしたときだけゼロでない値をとり、FT-likeな恒等式を満たす量がdual からつくれる」というのは綺麗な性質だよなぁ。(物理的な意味はいまだによく分からないけれど。)その学生は、具体的な現象に応用することで意義も理解するのだと言っていたが、正しい道だと思う。他人まかせでなくて、自分でも再考する時期かなと思っていたが、学生から解説を受けて、その気分がましてきた。statphysの講演で会議録を出さないといけないし、それにあわせて時間をとろう。

断熱ピストン:僕は基本問題を完全に理解し、深くて汎用的で重要な問題があることも分かった。それを解決しないといけない。もう少し時間がかかるだろうけど。(全面的に河合さんのおかげだが、これだけでここに来た甲斐があった。)断熱ピストンセッションというインフォーマル会合が急遽つくられたが、これは予想通り酷いものだった。同じようなことはこれまでに何度か経験してきたので何とも思わないが。