日曜日

岩井論文ver.0に向けて集中。何とか火曜日にはver.0になるかな。僕は知らなかったが、岩井君は、大学院に入った当初から、「論文を書いてマスコミに就職する」と言っていたらしい。(冬休みの間に岩井君が英文原稿を書くところまできたので)、実現するかどうかは時間との闘いだけになってきた。僕も優先順位をあげている。火曜日ver.0なら2月中旬英文校正、2月中に投稿が可能か。

伊丹論文。いけているかどうか半信半疑の部分があったので、ミニマム系の数値実験のプログラムを書いて確認する。これは...面白い。想像外の点がひとつ。希薄気体極限で裏どりは終わっていたが、それとは別のデザインで、しかも非常に印象的なデモがつくれそうだ。(ま、バグの可能性もあるし、これから丁寧に見ないといけないが。様々な基本チェックの他、平衡で動かないこと;温度を反対にすると反対向きに動くことなどは確認。)

たった数時間でできたのは、何とほぼ同じプログラムを2002年10月に書いていたからである。"heat flux induced motor" といって、頭と尾っぽに熱源があって内部に熱伝導を起こす系が並進運動する模型を考えようとしていた*1。heat flux induced osmosis を見る前に、熱伝導になれよう、、という課題を掲げたのだった。ただ、motor はできず、さっとあきらめてosmosis の方に入った。MD を全く知らなかったのに、そこからの数ヶ月で色々なことを一気に経験した。(soret を知らずに数値実験でみて驚いたり、温度ギャップの制御技術をみにつけたり、諸々...。たが、osmosis は微妙なところまでいって、ギブアップした。)そのときの最初の原始的なプログラムのパラメータを少し変えれば、今回の設定になるので、あとは理論的なことをよーく考えながら、正しい設定をするだけだった。それでも不定性のある部分の値が中々わからず、少し苦労した。これで半信半疑の部分に確信を得たし、一般的な命題として提案していることをサポートすることになるだろう。

僕は整理が悪いので、2002年10月のプログラムがどこにあるのかを探すのに1時間くらいかかった。探していると探し物でないのが色々見つかる。感慨深かったのは、2000年6月28日、3状態マルコフ過程でのHatano-Sasa の数値実験である。平衡系では第2法則に帰着できるがFTとは違うタイプの等式が存在することを確認したのだった。先に算数では導いたが、自信があったわけではなかった。実際にミスでないことを確認して、これで突破できそうに感じた。7月前半には、波多野さんが、Langevin の場合にその分割に物理的意味があること(local velocity で書けることなど)を見つけ、8月にはロサーモルスでその完全な導出を(初めてあった)クリス(=じゃるちんすきー)に喋った。[くりすに会いにいく約束をしたのは、Hatano-Sasa ができるよりずっと前!]Hatano-Sasaは昨年だけで60回を超えて引用された。注目を集めるのはありがたいことだが、逆に言えば、本当に意味があるかどうかが瀬戸際かな。

*1:ここによると、2002年10月29日。FIO-motor とよんでいる。10年2ヶ月のときを超えて、つながるとはなぁ。