土曜日

研究会5日目(現地9/14):ましみにあーの(えすぽじっと)の講演は、発表そのものはうまいけれど、自分たちの仕事だけで構成したプレゼンにしては、自分たちの仕事の寄与がεなので専門家的にはちょっといただけない。さすがに、うどが、「さがわ=うえだを超えているものはないよね?」と釘をさして、位置づけを確認していた。(彼は好青年であり、あくまでプレゼン技術としてまずいだけ。)僕はどの程度まで考えているのか彼の講演の文脈にそって探りを入れてみると..おそらく本家本元周辺が遥か先いってそうだ。でも、彼らが後から色々やってくれるから、先に走る人が助かる面は多いにあるし、最終的にはそうやって広がっていかないと本物ではない。

ぴえーる(がすぱーど)の講演は、1年くらい前に「酷いなぁ」と書いたのと同じ講演をした。おそらくこの2,3年は同じ講演を繰り返しているのだろう。彼は90年代前半非平衡統計の先頭を走っていた。ゆらぎの定理の前に輸送係数についてのフレッシュビューを提示している。(えばんすさんはそれに刺激されて、ぴえーるをオーストラリアによびレクチャーを受け、自分の言葉で消化しきれないけれど、自分の研究とつながるのはこれかな... というのがゆらぎの定理誕生のいきさつ。)つまり、彼の話がなければゆらぎの定理発見はずっと遅れたかもしれない。そういう意味でパイオニアーなんだが...。休み時間に僕の話の紹介を簡単にした。

ほるへは自分の講演日だけなので今日はいない。昨日の休み時間に僕の話を簡単に紹介すると、あぁそれはこれと関係している...と彼が気になっていることをいっていた。あ、それは確かに僕も気にしているのだが、最終的にはそっちにつながれば素晴らしいが、、どうだろう...できるかな。あと、6月に駒場にきたときに聞いた「らとるばっく」を(彼の視点で)気に入っていた。論文にはしていないのか? といっていた。その視点はもちろん僕が面白いと思っていることと同じ。論文にしようぜ。あと流れ的にゆらぎの定理(確率過程版)提示のいきさつを聞いた。聞いたことなかった。90年代前半、くりあんどろ=くーちゃんの"aging regime でのFDT"があり、90年代後半にるか(peliti)を加えた3人で書いた有効温度論文、ゆらぎの定理(確率過程版)論文と数年で3本の大ヒットがある。その後も刺激的な論文を発表しつづけている。環境の問題や年齢の問題があるので持続するのは難しい。特に有名な仕事を先にするとなおさらかもしれない。