火曜日

齊藤さんのセミナー:論点がふたつある。一つは、フーリエ則を実現するもっとも簡単熱伝導系の構築について。フーリエ則なんて、どこにでも普通に見られる法則だが、それをミクロからパスを通すのは大変難しい。希薄気体極限を除いては手も足もでない。さらに、具体的に玩具模型で考えようにも、低次元系では異常伝導になるので、熱伝導係数が確定する模型は必然的に3次元になる。3次元なら全てOKというわけではないが、3次元でまともになる模型は広くある。ただし、これをミクロから見ると、ため息ばかり。。。

ところで、近年なんど"線形"な模型で、フーリエ則が(数値実験で)実現された。これは相当な驚きで、にわかには信じ難い。伝導係数が確定している、という意味では正常だが、通常の熱伝導とは随分と違う気もする。この模型の話だったので、あれこれと話をすると、帰りの電車では、すっかり頭をのっとられた。ちょっと具体的に計算したい気がするなぁ。関連することに膨大な知見があって、その多くのことは僕は素人以下なので、ひょいと手を出して研究として何か意味があることがいえる態勢が整っているわけではないけれど、頭の中で描く波が面白そうだので考えてみれるなら考えたい。

もうひとつの論点は、カレントのきゅみゅらんと母関数の計算。京都の研究会でお聞きして、この詳細を知りたいので駒場に来ていただいたのだった。本当の計算の細部は手を動かさないと分からないけれど、実にうまい魔法的計算を経由して、綺麗な結果を導いている。この計算技術は、この模型特有の話であるが、この模型自体が↑のように考える可能性があるので、模型specific でも十分に意味がある。簡単な練習問題から、順番に説明してくれたので、非常によくわかった。実は、その簡単な練習問題は、冬休みの宿題として予定していたものだった。(勿論、その簡単な例題と↑の模型では天と地の差があって、簡単な例題は誰でもできないといけないが、↑の模型についてはトライしても挫折するのが普通であろう。)

帰りの電車で思いだした。あぁ、その簡単な例題で母関数を計算した、というのは、鹿児島学会のときの夕食時に仰っていたなぁ。そうか、そのときは、ピントをあってなかった。ま、計算できるだろな〜くらいだった。今、根本君との話で、カレントきゅむらんと母関数の計算については、ピントがあってきたのだけれど、鹿児島のときの会話とかすっかり忘れていた。

母関数サイドからみたとき、正常熱伝導状態でも「異常な様相」を示している気がする。予想にすぎないけれど、これはこれで非常に惹かれる。考えたいな。