土曜日

学会のセッションは、議論をして深める場ではなくて、陳列棚をあれこれ見てまわる場だと思っている。(だから、実験と理論を分けるのは、まわる人にとって自分のプログラムを組みやすくするための分かりやすい方針である。)とはいってもだなぁ。。。

ネットワーク(あわずさんの化学反応での履歴依存性を含む)、確率過程(大久保さんのDoi-Peleitiや笹本さんのランダム行列の話を含む)、液晶(福田さんコスタリックにおける新しい欠陥構造の話を含む)、生物物理(山中さんのトポロジーによる分類や金子さんの話を含む)、保存力学系(小西さんの遅い緩和の話を含む)、情報統計(田中さん=福島さんの数独話を含む)、ガラス関連系が、全て午前に縮退しているのは、ちとやりすぎのような気がしてくる。

午後は、生物物理と振動子。途中でメールの対応が必要になってしまい、生物物理に戻る予定を逸してしまった。振動子セッションは、本当久しぶりだが、なんというか、妙な気分だった。蔵本模型や蔵本転移という言葉がintroduction にでる話題を院生たちが順番に喋っていて、そういうので午後後半セッションをつぶせる現象をどのように考えればいいのか簡単ではない。

山本(松尾)美希さんの話も久しぶりに聞いた。講演の強調点がさっと頭に入ったので、「いわゆるラチェット系のポテンシャルに力学自由度を持たせる系を考えて、同じ理屈で重心移動を実現しているんだよね?」と休憩時間に質問した。そのカテゴリーはそれ自身面白い。90年代に考えるべきだったかもしれない。不幸なことに、その機構で期待される冪指数の実験値が大きすぎて、実際にそれが働いているかどうかは分からない。だから、実際を切り離してでも論文にした方がいい。(実験的には、shapeゆらぎを制御して、指数の小さな系をデザインしないといけない。)