火曜日

毎日、少しづつ理解の進歩がある。今日は4つくらい。。そのうちのひとつは結構驚いた。

もともと、マスター方程式に対してcoherent 表示による経路積分からLangevin方程式が厳密にでる、、という話があった。サイズ展開などの近似の意味ではない、、というので、訳がわからなかった。測定量との関係がどうなっているのだろうか、そこの「導出」は算数として正しいのだろうか、などがそこでの論点だった。大久保さんと板倉さんのおかげで次第に理解できてきたのだけれど、その過程で大久保さんによる「coherent表示の別表現」があった。これは便利で、今現在主流の表現と違って、できる限り初等的に積分を考えていくことができる。

しかし、いざ論文にするとき、そこからいきなり入ったのではまずい。普通の表示から入ってスイッチした方がいいなぁ...と、その方策をあれこれ考えていた。特に、そういう表示の文献があってもいい気がしたので、お二人にお聞きしたけれど、ないかなぁ、、とのこと。ここまでが昨夜。

今朝の電車で、何となく、その表示が書かれた文献の様子が頭に浮かんだ。やっぱり何かある気がする。僕がこの手の話を勉強したのは22−23年前なので、風景が弱くてどうもはっきり見えない。気になってきたので、まず本棚をまさぐった。あたりをつけて、この辺りか!とぐわっと論文のたばをつかむと「近い」のがでてきた。それを見ていると、ますます、絵がみえてきた。あ、論文の表紙に汚い僕の字で birth ... と書いてある。Peliti?
Peliti の他のはでてきたけれど、それそのものは出てこない。さっさとあきらめて論文を落とす。「これがそうだったらお笑いだよな」といってめくったら....本当にそうだった。

coherent 表示という言葉は出てこないけれど、大久保さんによる便利な表現そのものだ。ただし、難解な書き方になっていて、一読して何をやっているのかわからないようになっている。coherent 表示と明示的に書いていないだけでなく、独特の算数便法を使っているので、白紙の状態で論旨を負うのは難しい。(書かれていることをヒントにして、自分でつくりなおせばできるにしても。)

つまり、、、オリジナルは「使える話」だったのに、難解な書き方になっていたので、後の人(たぶん、Cardy) が分かりやすいようにと今の流儀で書きなおして、それが定着したのだろう。だけど、ちゃんと書けば、分かりやすさ/使いやすさの点では、今の流儀よりオリジナルの方が勝っている。

なんとも不思議で驚いた。自分が太古の昔に勉強したとき、どう理解したのかは全く思い出せないけれど。