金曜日

ふとしたことで始めた「K転移発見プロジェクト」は最初の分岐点にさしかかった。

まず、続けるかどうか?夏学期に入ってしまったので、まとまった時間はとんどとれない。特に書きもの関係はたまっているのだから、空いている時間はそっちにまわすのが生産的ではある。やめるならパッとやめ、続けるなら「強い意思」をもって続けるべきだ。何となくの惰性で続けるのは精神的にも悪い。

うーんんん。「続ける。」まだ惜しいから。もうちょっと「転移がない」予想に傾いたら、やめよう。

やるなら、何をする?

思いつくアイデアはほとんど試したから、胸湧き踊るアイデアがあるわけではない。そういうときは、地道なことを確認しておくのが鉄則だ。パラメータ依存性、サイズ依存性、誰もが思う量の確認。ルーチンではあるが、ルーチンを真面目に見ている中で新しい展開が生まれることだって何度もあった。そして、ルーチンは、本人すら気がつかないうちにやってしまうくらいの感じがいい。負担にならないし、本来の仕事を優先してできるから。

というわけで、「増殖するPCA」の個体数依存性から。途中から数値的に苦しくなるといっても、どのようになるのかをきっちり抑えていない。そこに法則があるかもしれないから、まぁ、さくっと見てみよう。講義の合間にデータをとって、何本かのグラフをあれこれ重ねたり、ひねったりして、規則を引き出そうとする。綺麗にいかないなぁ。

GW 中にやっていたことをかぶって、とあるデータ処理にいきついた。あ、そうか、これだと操作的にきれいな手続きだな。データもまずまずか...さてさて。あれ、待てよ、それなら、その操作を交換MCの結果に当てはめたらどうなるのだろうか。。おぉ、これは綺麗。久しぶりの進展だ。

少なくとも高密度領域から低密度領域への綺麗なクロスオーバーが見える。ここまで綺麗なら、このサイズ依存性を見てしまうのが早いのでは。3週間ぶりに交換MCのプログラムをとばしておく。あぁ、先月、すぐに飛ばしておけばよかったなぁ。

もちろん、今の問題では、(単なる)クロスオーバーと(真の)転移には天と地の差がある。その判定のメドを2週間でつけよう。数値実験では、あれとこれとそれとほれをやればいいな。そして、理論的には、あいつとこいつからだな。

そうそう、GW中に、1次元BM系もやっていた。単純な鎖にひげが生えていて、ひげには周期的に球をおく。例えば、その周期をパラメータとして、(最密状態の)残留エントロピーを見ると、整合=不整合転移のようなことが起こる。(乱れのない)1次元系では、漸化式で熱力学量が計算できるので、例えば、10^8 のサイズでのエントロピーなど1瞬である。(統計操作不要。)簡単なのであれこれ遊べる。パラメータをうまく選ぶと、上と同じタイプのクロスオーバーが綺麗に見えてくる。絶妙なチューニングで転移にならないのか、、と思ったけれど、疲れたのでやめた。(1次元系だしなぁ。。)ここで見ていたたくさんのグラフが今日の進展にも繋がった。