火曜日

大学院ガイダンス、大学院新入生歓迎会、学部ガイダンス、物理教育懇親会というスケジュールだった。その隙間をぬって、50年以上前のKauzmann の原論文をおとす。まだ読んだことがなかった。話そのものは耳学問的には聞いていたけれど、非常にあいまいな問題で、今更、その曖昧な世界に入っても特に得るものはないだろうと思っていた。ガラスそのものではなくて、ガラスの周辺に動力学に興味があったから、、といってもよい。ようやく、ガラスそのものも触り始めないといけないと判断した。

ひとたび、そう決めれば、半端なことはしない。Kauzmann の論文は当然のこと、魑魅魍魎の世界を自分の眼で眺めるつもりだ。おそらく大変難しいだろうことは容易に想像がつく。でも、そのスキャンなしで真の熱力学転移としてのガラス転移について何かをいうのはダメだろうなぁ。

論文群は時間の関係でまだ少ししかおとせていないけれど、数年前の段階で、''idealized glass transition'' の存在は灰色のようだ。諸説があるのは分かるけれど、明快な議論になっている気がしない。統計力学としては完全にクリアーな問題で、''idealized glass transition'' を示すモデルを出せ、、に尽きる。(僕の基準で(数値実験も含めて)その問いに応えた論文は今のところない。実験と同じ程度の不定性での転移を示す模型があるのはまぁ当たり前、というか、実験でそうなのだから、実験と同じことをやればそれはそうなる。)僕の感じ(予想)は全くの白紙で、5分5分かな。