水曜日

昨夜半から妻と娘が同時に嘔吐しはじめ、終日ばたばた。僕も寝不足で微熱気味になってきた。それでも講義準備はした上に、合間を縫って端末に向かい MCT-eq を数値的に解くコードを書く。パラメータを臨界にしたときの有限相関へのべき減衰だけを確認する。explicit Euler + くりこみスキーム(Fucks さんたちのアイデアのこと。僕がかってに名づけた。) だけだと長時間で安定性が怪しくなるので、implicit + くりこみ処方にかえる。

くりこみ処方では、長時間にいくにつれて「おそい時間刻み」でみる。まぁ、これは誰でも試みる案であろう。問題は、記憶項があるので「遅い時間刻み」で系をみても早い部分からの寄与を正しく拾えるかどうかである。遅い変化への早くする自由度の寄与を細かい時間スケールに戻って計算していたのでは話にならない。かといって、そこを適当にやっていたのでは不正確な計算になる。速い変化のうち遅い変化に効く部分だけを常に用意されていなければならない。一般の非線形記憶でこれを効率よくできるかどうかはわからないけれど、少なくともMCT-type では、絶妙な時間発展ルールの記述をつくることができる。(実際、それは数値解法として素晴らしく働く。)

素晴らしいものは、追体験でも楽しい。で、時系列をみていたら、やはりデモしようかなぁ、と思い始めてきた。p-spin glass のα緩和時間の発散の指数はゲッツさん時代からわかっているけれど、その係数を僕たちは決定できる(はず)。(それを決める理論は今までに存在しない。)で、それを直接数値計算と比べてみようか...と。折角数値的に測れるようになったのだし。もちろん、完全に一致しないとまずい。(僕たちの理論は近似値を与える理論ではない(はずな)ので。)完全に一致していたら、理論に興味がない人も少しは驚いてくれるかなぁ...と。[まぁ、デモはデモにすぎなくて、本当に大事なことはこの次にすることだが。]