金曜日

次の週末は、根性をいれて、岩田さんの「100ページの清書計算ノート」をチェックする予定にしていた。spherical p-spin glass のMCT equation の転移点からの摂動解の構成である。たった2項からなる極めて簡単な微分方程式だが、その振る舞いは驚くべきものであることが知られている。それをきちんと理解してやろうとしている。8月に方針とスケッチはできていたが実際の計算は大変で、何段階かにわけて、抑えてきた。で、「最後の計算」を11月中旬までに岩田さんが仕上げて、それをもらっていたのだった。。。それと同時に、摂動論の形式も並列で整理していて、そのノートも手入れしていたのだが、京都にいる頃からどうも雲行きが悪くなっていた。

今朝、ついに、「その100ページのノートは無駄になるかも..」という事態になった。準備もいれれば500ページを超えているらしいのに。

そんなことになったら、僕は切腹ものだ。非常事態回路を発動して考え、時間をとって議論する。結果...、何とか残るか。あと20ページくらいの追加計算ですむかもしれない。。(次の週末は、それが残るかどうかの勝負になる。)

(空間結合のない)GLの振る舞いは、臨界現象の基本中の基本である。これも2項しかない。この振る舞いを理解するのは1時間もあればわかる。p-spin glass の MCT equaiton は非線形記憶の基本中の基本であるが、これを理解するのは極めて困難である。誰のreview を読んでも難しくてわからない。その摂動解をつくるのは、僕たちにとってもっとも自然な最初の問題である。Culiandolo さんやFranz さんに聞いても先行研究はないようだ。(正確には、某さんがやっているのを会議できいた、、との重要な情報をCuliandolo さんに教えてもらって、その彼の論文はチェックした。不完全で終わっている。)

簡単な方程式の豊かな様相の膨大な手数による正しい理解は、もし完成すれば大変面白い。一般的には「おたくな問題」の部類に入るだろうけれど、しかし、例えば、activation を理解するときには、この摂動形式がないと手も足もでないはずなので、将来に向けても非常に大事な一歩になっているはずだ。