日曜日

Genova 講演のplot を紙に書いて考え始める。(歩きながらはずっと考えていたが。)いわゆる研究会(workshop)でない" conference "で喋るのは、はじめてなので、正直いって緊張する。statphys には参加自体がはじめただから雰囲気もわからないしなぁ。スライド12枚分のラフなイメージを書いた。15分講演なので、このあたりでとめるべきだろう。ただし、11枚目がまだ白紙でまよっている。

内容的には、新しいものは全くない。例題のみせかたと結果と意義のみせかたの問題だと思う。少し迷ったが、今のところ、Feynmann ratchet の例題からはいることにする。羽の部分にprobe force をあてて、FDR violation をみると、羽の部分から環境にとびだす定常熱流がわかる--- という のりで、Harada-Sasa (の導出のエッセンスと結果)をみせる。後半 1/3 で、pure Halimtonian 系での熱伝導誘起 drifting motion を題材に FDR violation の(導出のエッセンスと)結果をみせる。

色々試みるが、パソコンは復旧できない。どうもハードがいかれてしまったらしい。仕方ないので、来週(6/25)の講義の準備をする。 大学院講義情報 も更新する。いわゆるKubo 公式を「外力に関する線形化をばしばしつかって形式的にだす」だけなら、分布について「指数関数の肩の平衡からのずれ」からはいるのがもっとも自然だ。古典なら一瞬の作業である。量子の場合には、演算子の順番の問題があるので、そこに注意をすればいいだけである。と、原理的にはそうだが、さすがに(僕は)慣れていないので、時間がかかった。殴り書きなので一度清書しないと符号とかのミスがありそう。

すずき本で確認したが、entropy演算子の表現は僕と微妙に違う。あれ??とよく比べると、論理的には同じだった。ただ、すずき本は、限りなく「誤解を招く表記」になっているようにみえる。この演算子から素直に期待値をとって久保公式だそうとしたら混乱するだろうに。すずき本では、久保公式は、原論文にそって、最初から期待値に関する摂動でだしているけれど、これは少し余分な手数がいる。

いずれにせよ、僕には、この計算は全く面白く思えない。本質的なことは古典でつきていて、その古典の計算は形式的な単純計算にすぎない。(対応する物理は超難解で、その部分は現在でも白紙のまま。)量子系で指数関数の肩から下におろすときに積分表示を使うアイデアは少し面白いけど、それもテクニカルなことにみえる。Onsager の迫力ある話とは別次元だと思う。

面白い・面白くないを超えて、productive なことまでひっぱるには、形式計算をもうちょっとまともに記述できるレベルにすればいいのだ。しかし、これは難しい。やさしくて先につながる練習問題を設定できればいいのだが。。