月曜日

田中肇さんは、ガラスの研究をはじめる前に、数百の論文を読んでから研究にとりかかった、ということを以前にお聞きした。(数字は微妙に記憶違いかもしれないけれど。)僕は、研究をはじめる前は、散発的な雑談以下レベルでしかなく、研究をはじめてもごく狭い範囲でしか読んでいない。決してほめられたことではない。岩田さんの課題で(僕も)じっくり勉強するつもりが、いきなり跳んでしまったから、文献読みがおいついていないのだ。論文たちをダウンロードするたびにため息がでる。(もとから文献読みは好きではない*1ので、読むとしても研究の終わりごろになって流し読みすることが多いけど。)

さて、自分たちの話が生きるか死ぬか、真の生存をかけた戦い*2をそろそろはじめるのだが、どこら辺をとっかかりにするのか、今一度考えていた。このあたりかな、、とある文献を拠点に先行研究をたぐっていくと、、うーむ、現象のクラスとして無茶苦茶絞ったはずなのに、100は超えそうではないか。なんてこった。。解析は、MCT/replica/数値実験 と3点セットあるが、無論、僕らの「のり」はない。自分たちがわくわくできる次の課題の基本的問いは、はっきりしつつあるが、それでいくかどうか、、今週一杯くらい検討するのだろう。

*1:古い論文を読むのは好きである。教科書になっているような話はよく原典にあたって読んでいた。一般には原典が難しいけれど、はるかに味がある。ここで嫌い、といっているのは最近の論文たちのこと。どこのグループが何をやったか、、などにほとんど興味がない。

*2:とあるモデルに対してとある近似のもとでへぇーという解析をすると、ガラス転移の力学系版ができる、というのは新鮮だし、それに揺らぎをいれてみたら、χ_4発散がいい感じででる、というのは出来すぎにも思える。これが真に生きるためには、モデルのクラスを明示することと制御不能な近似をはずすのとの両方がいる。僕たちのシナリオが最後まで残ったら、無茶苦茶面白いと思うが、こういうアイデア先行的なのは大概死ぬのだろう。だから、緊張がつづいている。