日曜日

そういえば、静的な量ではほとんど変化がないのに、動的には大きな差がみえるのは、グラスの問題に特有ではない。ふつうの流体もそうだった。流体記述を粒子レベルにもどって、運動量に関する連続の式を書き下して、流れにそった平衡分布で統計平均をとると、Euler 方程式が厳密にでる。(学部レベルの流体の本で議論されるべきだ。初等的な計算だけで理解できるのだから。)ところで、例えば、パイプ流をみていると、Euler 方程式からのずれは、質的である。そこで、論理的には、使った唯一の仮定がおかしいことになる。粒子のミクロ自由度の分布は、流れにそった平衡分布には従っていないのである。ところが、このずれは極めて小さい。小さな系の数値実験ではかって、やっとわずかな差がみえる程度でしかない。つまり、非常に小さな検出不可能なくらいのわずかの分布のずれが、マクロな流れには、圧倒的な差として見えているのである。不思議なことだよな。そういうところから何かをもうすこし学べないかな。。。あ、月曜日の講義では、そのあたりを喋るのだった。

朝、昨日思い出したことのtex ノート書き。書きながら、色々と修正。少しづつ問題が明確になってきた。査読者からのプレッシャーではあるが、ようするに、普通の学問的コミュニケーションである。色々な人から、あれはどうなっている? ここはおかしいのでは? とあれこれいわれたことを踏まえながら、自分の方向性を発展させていく。