金曜日

χ_4論文:査読がかえってきた。大量のコメントに応えれば、受理されそうな雰囲気であるが、ひとりの査読者の注文がちょい厳しい。(Iwata-Sasa I を正しく評価してくれた上で)、ミクロとの関係についてもっと明示的にせよ、、とのこと。 統計力学的なセンスでは、せっかく前の論文があるのだから、あれの素直な拡張でやれよ、、、という注文はもっともだし、簡単にできるならそうしたかったのだが....。

さて、この部分については、未だに難しい部分があって、完全にはパスが通っていない。直感的な議論を連発すれば、なんとなくの筋はとおせそうだが、、そういうことをするくらいなら潔く「現象論的モデルだ」といいきった方がいいと思って、あの構成にしたのだった。(9月下旬から、パスを完全に通すために、ガラスから離れてミクロ=マクロをもっと鍛える別の課題に移行した。)このコメントへの応答は、時間をとって問題自体を再考して、どこまでどういう形で書き足すのか検討することになるのだろう。

もうひとりの査読者の、MCT とのスタンスの書き方がおかしい、、という指摘は、今草稿をみると全くもっともだけど、「この論文とOtsuki-Sasa との整合性が云々....」というのは、まいってしまった。同じ著者たちの違う結論... って書いてあるけれど、そもそも、Sasa が共通しているだけで同じ著者たちではないし、みている物理量も近似も違うのだが、、。これはきちんと説明すればいいのだと思うけれど。

助成金:ありがたいことに、住友財団から助成金をいただくことになった。この助成金は、1年限りで、全額、海外研究者との交流に使うことになっている。必然的に、来年は海外出張が増える。もともと、旅行なんて面倒だし、海外なんて論外なんだが、成り行きで仕方なく(かなり嫌々)そういうことになった。[正直、助成金おちたら楽なのになぁ、、と思っていた。勿論、いただく以上は、申請書に書いたことを実行して、研究結果に反映させる。]

というわけで、UT-Physics シリーズの本を書くのは限りなく不可能になりつつある。(来年度は、新しい講義がふたつはじまるし。)と、思っていたら、橋本さんが書かれたUT-Physics シリーズ「D−ブレーン」が編集部からおくられたきた。ぱらぱらみたけれど、非常に面白そうだ。「読者」として楽しく読めるだけなく、「本の書き手」として色々な工夫もわかる。しばらくカバンにいれて、電車の中で開いてみよう。