水曜日

project-S: 0次元系でも素朴な想像を超えて色々非自明なことが続出している。0次元なので協同現象はないが、時間を空間1次元系としてときの(ややおたくてきな)解析道具をあれやこれやと動員してなんとか議論できるぎりぎりみたいな感じである。0次元系では、Fokker-Planck の解析でもでるはずだが、今のところそっちからの解析は想像できない。(確率過程のプロならできるのかもしれないが。)また、いわゆる教科書的な経路積分の議論で、これをだすのは途方もないようにみえる。こういう「ぎりぎりできる範囲をすすんでいる感じ」は悪くない。研究の山場はまだだいぶ先だが、いい感じ。0次元系を来週中あたりには攻略して、標準的な議論との対応を考えながら、本番の1+1次元系を来月になんとかできればいいな。

議論:何を具体的に研究すればいいか、という問題は、研究結果がでる前に判断するので、難しい選択である。各自の物理観にしたがって、こっちだ、いやあっちだ、、といいあう。ガラス系の研究のすすめかたについて、宮崎さんと何度かお話させていただいていた。(ニューヨーク=千葉で1時間近く電話でお話したり。)結果がでる前だから、論理的ではなく、勘がまじる。僕は、宮崎さんのおっしゃることはひとつの道だとは思っていたけれど、宮崎さんがおっしゃるほどの重要性は感じてなかった。そこで、宮崎さんは色々と説明をしてくれるのだが、ピントがあわないものはあわない。ところで、最近、ぼつぼつと、やっと宮崎さんのいっていたことの重要性の気分がなんとなく感じてきた。不思議なことだ。宮崎さんの懸命な説明に対し、時間遅れをともなって価値観を共有してきた、、ということか。(ただ、手数が非常に多い課題なので、時間がかかる。そこの重みつけの関係でまだ手を動かすようにはなっていない。)

こういう相互作用はいい感じである。かっての、関本さん、田崎さん、原田さんとの共同研究も、このようないい相互作用があって、建設的なステージにはいっていった。色々な人とのいい感じの相互作用がもっと増えればいいな。