火曜日

昨日の集中力のなさを反省し、緊張状態をとりもどす。

J. Langer に続いて、I. Procaccia までがガラスの論文を公表した。ガラスの専門家でない人たちが、あれやこれやと叩きはじめるのは、僕らにとってもいいことだ。やはり、きっかけは、Biroli-Bouchard 論文のようだ。(ガラス分野では、そこにいたるまでにちゃんとした蓄積がある。B-B 論文は、それを(非ガラス)統計力学の人でも興味をもてる形で提示したのだが、そういう側面も大事だろう。実際、僕もB-B 論文からはいっていったわけだし。もちろん、フランスが総力をあげて、B-B 論文に続いている、というのも大きい。これは社会学的要因であるが。)こういうのをみると、僕らもχ_4論文をはやく公表したくなるが、あと少し待つ。(いずれにしても、3月の長い論文までは、多くの人にとっては、評価を留保する状態であろうから、早く、3月論文を仕上げないといけない。)

田崎さんが駒場にこられた。(あ、集中講義の日程の相談をするのを忘れていた。)所用はそこそこで、χ_4 関連の話をする。Iwata-Sasa のいきかたが本物であるかどうかは、今の段階では、僕らとて全くわからない。いくつかの案件を消化していって、理論の骨格が浮かび上がったときに、もし本物なら、本物だろう、と確信する時期がくるはずだと思う。"one interesting trial" の可能性もある、(というか、確率的にはそういう可能性が高い。)しかし、色々な人が自分の研究者個性を信じて、"interesting trials" を提出するような分野が僕はすきだし、非平衡/統計 は、そういう分野だとおもっている。(正直なところ、社会学的には何だか暗いけれど。)

あ、そうだ。僕が来年度終わりまでに書くことにしていて(たぶん落としてしまいそうな)本の題名は、「揺らぎ -- 非平衡基礎論における史的発展と私的概観-- 」にしようと思っていたのだった。ページ数が足らないな。普通の本や論文に書かれていないが重要な切り口で「揺らぎ」について論じる予定にしている。..... 史的発展を抑えればいいのだが、これはこれで非常に面白い(と個人的に思っている)ネタはいくつかある。(もちろん、科学史の話ではない。)