金曜日

朝ゆっくり起きたせいか、仕事全開モードでやろうと思ったことは終了。この2,3日気にかけていた簡単な問いは、手を動かせば一瞬でおわった。(しかし、確認は大事。)論文、"A theory on critically divergent ....." は、version 0 を宣言する。これで僕に何かあっても、この論文は世にでる。(って同じことを何回も書いている。)

朝、大槻君と査読者への返事に関係して、これからの方針を話す。Otsuki-Sasa は、○○という仮定のもとで、たとえば、1/3則が成立する、というのは、もちろん正しい。そして、数値実験でも証拠がある....のだが、実は、数値実験の結果は時間の関数でどんどんかわってくる。最新の結果を踏まえると、Otsuki-Sasa ではどうも具合が悪い感じになってきた。(こんなことを理解できるのは、ごくごく一部の専門家だけだが。)他方、僕らも、○○という仮定をできるだけはずした話は議論しており、大槻君は具体的な計算もしている。おそらく、今のレター版の話は簡単にすぎるので、もうひとひねりいりそうだ。算数上の問題は、大槻君が頑張っているので何とかなるが、物理に関わる部分でいまひとつ理解がたらない。その部分は、なんとしても8月中に埋めないといけない。その物理は、実は、レオロジーのセンスが必要な部分で、正直いまだに僕は苦手である。しかし、何とかしないといけない。

あ、これは、レター版の話がぽしゃるとか、そういう話ではない。もっとも素直を考え方でjamming transition の特性を捉えたら、Otsuki-Sasa になる、という主張は変わらない。実際は、そこでおとしている諸々が関わってくるので振る舞いはそこからずれるだろう。そして、そのずれ方が定性的にも重要なら、きっとそれを説明する次の論旨が必要になることを意味する。今は、そこにさしかかっているだけである。これは、理論物理の王道的な進み方だと僕は思っている。ただし、結果が伴わないと意味がないのは、当然であるが。

Iwata-Sasa の進み方もまったく同じである。Iwata-Sasa I の段階では、実験との対応は色々とまずい。それは承知の上で、まずは素直にサドル接続分岐をだした。そうやって本質の一端をきりとると、そこへの揺らぎを考えることにより、今の「実験や他の理論と定性的レベルで比べうる段階」まできた。で、次は....。

χ_4 がらみで、論文から離れて気になっていることがある。おそらく、(まだ予想だが)、非発散だがかなりの増大を示す現象のクラスがある。その筋は、今書いている論文では説明できない。バックグラウンドでずっと気にしていたが、優先順位が低かったのでおいていた。しかし、そろそろ、このあたりで叩いてみるか....。しかし、僕の知識が足らないので論文をいくつか家に持って帰ることにした。

SLE の最新文献が入って、かつ、非常にわかりやすそうなreview (math-ph/0607046)を落とした。うげ、Kadanoff もSLE に関する論文を(このreview の著者との連名で)書いている。。。うわぁ、2次元乱流でもSLE が使われている...。