月曜日

ミクロ変数とマクロ変数の力学的結合:万能ではないが、今調べている系ではちゃんと計算する(だろう)アルゴリズムがやっと実装できた。適当にパラメータを選んで内部座標空間の体積増大率とエネルギー移動のデータを1万個ほど集めてみる。さてさて、結果はどうでるか。(形式的な算数操作では等式が成立するはず。ただし、1:1対応が怪しい変数変換を経由しているので厳密な意味での数学の証明はない。しかし、イメージ的にきっと成立するはず、という思い込みがあるので、数値をとりたくなった。(厳密に証明できていれば数値実験する気力はうせる。)

ちなみに昨日からやっているのは、N=8 FPU 鎖のポテンシャル散乱である。ポテンシャルがなければ、FPU 鎖は強いカオスで全運動量が保存する。原点近くにあるポテンシャルに向かって、FPU鎖が遠方からやってきて、ポテンシャルで散乱される。ポテンシャルがなければ、内部座標空間の体積は保存するが、ポテンシャル散乱により、体積要素は変化する。(全体系の体積要素は保存する。)この体積要素の変化の対数と外部から内部へのエネルギー移動を意味ありげにくみあわせたものを指数関数の肩にのっけて平均すれば1になるはず...というのが予想である。もちろん、成立すれば、J 等式の拡張のひとつである。

帰宅後データをみる。うむむ... 数値的には矛盾がない程度に成立しているが、なるほど、、という感じの成立の仕方ではない。(外部から内部へのエネルギー移動の平均は負だが、Jacobian の対数の平均に温度をかけたものを下回ってはいない。)まぁ、一発目だし、色々を工夫しないと確定的なことはいえないだろうな。