日曜日

次のカオスの講義では、講義でみせた(いくつかのパラメータでの) KS entropy の測定値を、シンボル化をはずして理解することを説明することにきめた。 形式論を避けるために、実際に測定しないといけないのだが、その実装方法に悩んでいた。

もっとも素朴なのはまったく駄目だったので、工夫路線にはいる。9時頃がもっともマニアックなアルゴリズムになっていたが、結局、おとなしいものにおちついていった。いわゆるカオスの熱力学形式における"温度"を導入し、自然測度に対応する温度1から絶対零度に下げていくときのクラウジウス等式をつかうのが安定性が高い。シンボリックダイナミクスによるものとの食い違いは、数値パラメータをかえていくことにより、2パーセント弱まで漸近してきたので、たぶん、あっているだろう。

シンボル化ができている対象だから熱力学形式により自明といえば自明だが、やはり、数値的に確認すると非常に不思議である。virtual に温度を導入して、モンテカルロで相空間を散歩させると、(シンボル化を使わずに)KS entropy がでちゃった。。。というのは、やはり不思議である。[それにカオスの熱力学形式の温度の有用性をはじめて実感できた。]

さて、それでいよいよ、木曜日の日記に書いた問題の回答を、来週のカオス講義でやりたいのだが、間に合うかな。そこではシンボル化は前もってないし、熱力学形式の妥当性もよくわからない。しかし、強引に今のアルゴリズムを適用して、モンテカルロで温度をさげながら相空間を散歩させて、KS entoropy もどきをはかってやって、速度のt^{1/3}則の比例係数を正しくはじけば、楽しいではないか。。