火曜日

朝、講義。午後、ぱぱぱぱっと大量の仕事を順番にやって、時間をつくって伊丹君と話をする。昨夜のことはもはや完全に忘れているが、何となくの雰囲気だけしゃべる。どうかなぁ。

早朝に目が覚めたので、振動子関係のチェックをやる。うむ、矛盾はない。Ott たちの論文を見ると、あぉ、コーシー分布の場合はぴったり同じだ。(そりゃそうだ。結果そのものは、Strogatz+Kuramotoで分かることだから。)で、ついに千葉さんの論文をDLする。帰宅して夜に見ようと思ったが、待ちきれなかったので、午後の仕事の隙間で結果だけみる。非常に明晰に書かれており、一瞬で結果がわかり、整理の仕方が僕と同じなのでそもそも計算する必要もなく、「完璧に同じ」。つまり、Crawfold は間違っていた。千葉さんはノイズなし純粋蔵本の解析でレベルがひとつ上だが、ノイズゼロ極限と一致するのが妥当な設定でみているので結果は一致しないといけない。まぁ、よかった。

しかし、中々凄まじい。ノイズ蔵本の解析は、Sakaguchi, Pikovski-Ruffo, Crawfold とことごとく間違えている。(単純な計算間違いだろうが..。)あと、sin 結合以外の場合も色々やられているらしいが、それも(千葉さんたちが登場するまで)ことごとく間違えているらしい。(sin 結合以外の例題は、僕には自明にしか見えないのでやる気はしない。臨界指数が変わるのは一瞬で見える自明な話で驚くことでもなんでもないのだが、Strogatzのレビューではその非自明さを強調していて、価値観が理解不能。)何だかなぁ。。僕も計算ミスするをたくさんするし、論文書くときに部分的にtypo 含む場合もあるから、えらそうなことは言えないが、最後の結論の部分で間違っていて、しかも、それが次々と間違いをしているのは、業界としてはかなり恥ずかしいと思う。少なくともconsistency チェックをかけてウラをとれよ、、と言いたくなった。(僕は自分の計算に自信がないので、特定の模型で全て数値実験をしてまず確認をとった。論文には書かないけど。)

しかし、千葉さんは明らかに一段上にいるなぁ。マクロダイナミクスの議論で分布の分岐解析路線は将来的には乗り越えるべきだと思うが、その路線で数学の証明を与えたのは、素晴らしい。論文も非常に綺麗に書かれていて読みたい気がしてきた。(しかもCrawfold が間違っているから、一般の振動数分布でのマクロダイナミクスの正しい表現を最初に出したことになる。最初に正しいのを出したのが数学者ってどういうことや..。証明はなくても正しいのを最初に出すのが理論物理じゃないのか。。。ぶちぶち。)