月曜日

(次女の最後の中学バレーを見るため)夕方まで外出していたが、合間をみてノートを持って昨日の続きを考えていた。どうもおかしいが、イメージはしっかりしてきた。帰宅してやっとできた。

やっていたのは、無限レンジXY模型をランジュバン多体系で書いたときの臨界ダイナミクス(=秩序変数の時間発展)を正確に出せ、という問題である。結果がGLなのは当然だが、その係数を計算する方法は如何に?という問いである。例えば、流体方程式に対して対流開始点近傍でGLを具体的に導出するのは60年代に知られているが、無限レンジXYは類似の問題だが僕には手がでなかった。平均場なので1体分布関数の非線形発展方式を解析すればいいのかもしれないが、その方向ではどうもやる気がでない。(誰かやっているかもしれない。。。)また、より難しい問題として、蔵本模型の秩序変数のダイナミクスを出せ、という問題は僕が院生のときに、西川さんと蔵本さんがやっていて難航していたのは覚えている。(これは現時点では解決している、と聞いたが、僕はまだそれらの論文をフォローしていない。それが解決済みなら、平均場XYはもっと簡単だからきっと解決済みなのだろう。)

いずれにせよ、研究の動機というより、来週の夏の学校で、ミクロダイナミクスとマクロダイナミクスの関係を議論する例題として、無限レンジXYがよい気がした。ステップ0で平衡統計力学;ステップ1でランジュバン多体系のダイナミクス;ステップ2でハミルトンダイナミクス..を順次考えていく。ステップ0は30分で通過して、ステップ1は1時間を予定していたのに1日かかった。もちろん、臨界点以外ではダイナミクスは簡単にはならない。臨界点で時間スケールの分離が生じるのでそれを使った摂動展開を形式化することができる。そして、その計算の肝が「非平衡統計の知見」にあるのだから、記述の縮約マスターを目指していた院生時代には想像もつかないことだ。実は、あるエントロピー生成を具体的に計算することがGLの係数を決定することにつながる。これは昨年の流体方程式導出論文と同じだが、平均場なので全部解けるので係数が数値で出る!ただし、1時間でなくて1日かかったのは、流体論文の場合と似ていて違うところがあるからで、流体論文のアイデアに引きずられすぎてしまった。それをふりきって正しい理論を見るのに時間がかかってしまった。ターンしたのは賀茂川(鴨川でない)にかかる橋を渡るときだった。(分類理論をまじめに考えるべきかもしれない。)