水曜日

夏の学校の講義ノートの例題である熱接触は、「湯と水をまぜるとぬるま湯になるのも量子力学の結果なのですよね?」という問いからはじまっている。講義ノートでは、途中で量子を切り離し古典だけでやっているが、やはり、最後に戻らないといけないよなぁ、GWに計算して結果だけでも書いておこうか..とか思っていた。

朝、睡眠時間少なめで目が覚めると、頭で自動的に計算をはじめて、あぁ、なんかできる気がする。朝と夕方の通勤あわせて1時間で暗算でだいたい終わった。帰宅後、伊丹君の投稿直前の論文を読んで、その計算を紙に書いた。古典の場合とずっと同じで、最後にちょっとだけ違うという形で綺麗にもとまった。設定は、ふたつの量子系が弱く相互作用する、という単純なもので、初期状態は温度の違うカノ二カル分布の密度行列を用意する。あとは、それらを相互作用させて量子力学で時間発展させるだけ。相互作用が小さい摂動と初期の温度差が小さいという条件を仮定して、時間無限とのスケーリングとると、各系のエネルギー変化が緩和していくようすがちゃんと分かる。(古典がちゃんとできていれば)、無茶苦茶簡単じゃないか。(緩和率は古典の表現から虚時間への積分がはいる、という標準的なもの。)GWにノートを書いて、量子ダイナミクスの専門の人にみてもらおう。