金曜日

statphys終了。今回が2回目の参加で、前回は6年前のジェノバだった。あのときもそうだが、講演そのもので驚くようなことはない。パラレルセッションは後から聞くと選択を間違ったのがあったり、出たり入ったりするとそもそも受け身的になるのも関係するかもしれない。

一番印象に残ったのは、実は、ポスターの渋い渋い話だったりする。ブラウン粒子の抵抗のミクロからの導出を議論していた。ひとつづつチェックをいれて、仮定と計算は理解したつもり。テクニカルには色々と整備しなおさないといけないが、基本的な方針は正しいように思った。そういうのは、森公式から出発して「適当に近似」すればでる、というのは、実験を説明するだけならいいけれど、流体方程式の導出と同じように「ミクロからの基礎づけ」を再検討する時期だと思っている。単に渋くてアカデミックな問題なだけではなく、その発展に未解決な重要な問いがあるとも予想している。いずれにしても、まずは自明なことをやりなおすことからはじめるべきだと個人的には思っていたが、こんな渋すぎる話を他にやるはずないと思っていた。ポスターをやっていたグループは何の動機でその研究をやっているのか聞き忘れたけれど、やっていたこと自体が驚き。。(でも彼らの方法だと限界がある。。)「こういう60年代物理をやってて何をするのか?これからは情報熱力学の時代だぞ!」と思う人もいるかもしれないが、1−2年待って下され。(情報熱力学っぽい話は、時代的課題であり、数理としての面白さにとどまるのか、現象を整理するときに真に役に立つのかが分岐点になるかなぁ。)

とにかくあまり仕事がすすまなかったのもよくない。これから大変だ。