金曜日

"Hydrodynamics from Hamiltonian systems":まだノートとしても不完全だが、形がおぼろげにできてきたので、4/30に最初のアイデアを黒板で説明したときに聞いた院生たちにはノートを配る。今月中にはver.0にしたいところだが...。

夕方、そのノートを横倉さんに黒板で説明する。もとは彼の質問から派生した展開だし、質的に違う問題をやっていてもピントはあっているかもしれない。説明不足をきちんと補ってくれる質問に答えながら、自分でもバランスの悪さがどこにあるのかを自覚した。もともと彼の質問を聞いたとき、「エントロピー生成 −> エントロピー」はKNST風のイメージをもっていた。結局、設定を簡単にしたこともあって、それが必要なくなって、その分、何かとってつけたような感じでエントロピー的なものが導入され、摂動0次で熱力学で...という構造になっているのは、やはり今一だな。その証拠に、摂動0次以外はエントロピー的なものについては分からないまま放置されている。まだ何か抜けているのがあるような気がする。後、さっと説明したり論文をさらっと見ると気がつかないかもしれないけれど、決定的な技巧(=実際の自然とは違うだろう)が「それとなく」やっている。いくらなんでも、流体方程式がこんな簡単にでるって何かおかしいだろう...という違和感は実は正しい。第2法則のミクロからの理解と同じ構造になっているので、第2法則の理解が弱くなる状況では流体記述も弱くなる。これは....流体でやるより、まず、第2法則からだろうけど。例えば、同じ問題として、"hydrodynamics for pure states" は 古典ではおそらくありえない。量子ではどうだ??

朝、伊丹君の話。先日の「伊丹公式」は僕は大変気に入っている。理論的なウラはまだ完全ではないが、数値実験の第一弾は上場だし、現象も面白いし、公式も綺麗だし。しかも、制御した実験でひっかけれる可能性も高い。久しぶりに理科年表をひっぱりだしてオーダーを抑えた。もはや断熱ピストンのかけらもない。(あ、でも、断熱ピストンの論点整理のコメント論文を書くことを今日了承してしまった。色々とやばいんだけどなぁ。。)

午後、中村さんと大栗さんの話。何か設定の絵だけみると、芳賀君がやっているのと同じに見える...。しかも、とある量についてが同じようなことを示していた。中身は全然違っていて、ホログラフィーにもとづく話なので、僕の位置をしっかり保たないといけない。「う〜ん」と渋い顔ばかりしていたので、「どこが納得しないのか」と大栗さんに攻め寄られたが、科学の発展には色々なパタンがあって、特定の模型(原理)にもとづく明快な結果が、大きな影響をもつときもあるけれど、自然と無関係な場合もある...そういう見極めができるようにするには次に何をすればいいのか..を考えている..と返事した。ゆっくりとボチボチと考えよう。また、そこで主張されうるかもしれない命題(予想)と似たようなことは非平衡にもあって、それをどう理解していったらいいのか糸口がないのだけど、どこかで時間をとって考えてみようか。

夜はさすがにまずいので報告書作成にとりかかる。