火曜日

短い会議、院生の皆さんとの会談の他は、ソファに寝っころがってノート書き。ちょっと姿勢的に無理な形になるので他の部分を痛めそうな感じもする。帰宅してからもノートを書き、とりあえずモデルまでは書いた。今のところ間違いはないようだ。しかし、日曜日に16個のサイコロがよく見えたものだ。「3次元正方格子におけるWang cubeの最密充填パタンにおいて どのyz平面でみても、どのxz平面でみても、サイコロの下面の色が「緑」になっている個数を y軸に平行、もしくはx軸に平行な線上で平均した密度をz 方向にリターンプロットすると、ベルヌーイ写像がでてくる」ようにサイコロの色を決めたのだ。証明つき。しかも、そのベルヌーイ写像の初期値は[0,1]区間の任意の実数になりうる。したがって、パタン的には規則性はない。その一方、エントロピー密度はゼロであることも証明できる。最密充填についてはほぼ理想的な性質といってよい。

明日から転移の説明に入る。最密充填にほんの僅か穴をあけたときに、最密充填の構造が維持できるかどうかである。維持できれば、どこかで転移が生じる。2次元正方格子上におけるWang tileの最密充填では維持できなかった。つまり、わずかの穴があくと「その構造」は壊れる。証明つき。「その構造」というのを明示しないと意味がないけれど、「秩序変数」は任意性なく明快に定義できていると思っている。2次元で不安定だったものが、3次元で安定化するかどうかが問題である。勿論、2次元系を不安定化させたものは抑えてあるが、どこまで抑えが効いているのか議論できるかどうかは分からない。

余分なものがなければ、転移の仕組みは大雑把には理解している。穴がばらばらにあくことのエントロピーを遥かに超えて、穴が局在してあくことでそれまで隠れていたパタンの自由度を爆発的に増やすという現象が生じる。定量的にもそれはほぼ間違いない。あとはそれを純化できるかどうかだけである。

無事に転移が残りますように。