金曜日

4月にやっていたtri-BM-2のノートを今月中に完成して論文ver.0 にしたい。めざーとさんが新編集長に就任したJSTATに夏休みに出すくらいでやろう!..と意気込む。

が、その前に、2、3日放置していたGW模型の論文のversion up をせねば。これは、7月上旬には、J. Phys. A のFTC section に出したい。いくつか手を入れる。特に、金森さんの論文とカオス力学系の論文を引用するように構成をいじった。少し間があくと、何というか、マニアックに過ぎるなぁ。一体、何の話なのかさっぱり分からない。でも、個人的には大層面白い。確か、85年くらいかな、「ミクロとマクロの階層をつなぐ新しい様相を理解したいなら、平衡統計力学で研究するテーマはない」、と言っていたのは。まさか、その自分が、25年後に平衡統計力学の論文を書くことになるとは。。

いやでも参考文献欄が普通でない。文献[1]の準結晶のreview('88)はまだ普通として、文献[2]は、Powell-Percival ('79) 。現在の力学系の研究者で知っている人どれくらいいるかな。津田さんや島田さんは知っているだろうけれど。文献[3]は、Eckmann-Ruell ('85)。4回生のときに丁寧に読んだ。実は、Kuramoto-eq はそこで始めて知って、それから蔵本さんの本を読もうとした。(蔵本さんの本は難しくて学部のときにには読めなかったけど。)文献[7]は Aubry ('83)。新庄さんや松川さん関係で僕は修士時代に知った。文献[15]のWolfram ('83)は知っている人多数だろうけれど、文献[17]のMartin et al (Wolfram も著者)の CMP ('84)はそんなには知られていないだろう。実は、僕はM1 のときにこの文献紹介をした。こうやって並べると、とても平衡統計力学の論文とは思えない。

統計力学もBaxter 本、Wannier のAF-IM('50)、オランダグループ('82),Kramers-Wanneier ('41), Kanamori ('84) なので、'86でもこの論文を書くことはできた。でも、「平衡統計力学は終わった」と(当時の京都の流行にのって)いっているような浅い学生では、かすりもしない。タイムマシンにのって説教にいきたい。そういう気分の論文だ。

本日、最大のイベントは、帰宅直前のみやまくんとの議論だった。2週間前に、「今までやってきたことを、モデルを変えて全部やり直した方がいい」という酷い指摘をしたのだった。それには理由があるのだけれど、それをいうなら1年前にいうべきだった。時間的に厳しいみやまくんにこの時期に何ということを..とも思うけれど、学問はやはり正直さが全てなので、ごまかしでは見えるものも見えない。その結果を受けて、あれこれ議論する。で、いつもと同じところでひっかかる。しかし、今日は違った。ちょうど昨日1次転移の臨界性についての議論を自分の言葉で理解したばかりだったのも幸いして、やっと論点の一つが言葉になった。

それを契機に一気に流れ始めた。保留にしていたいくつかの案件が全て繋がった(気がした)。これは動くかもしれない。帰りの電車では、2月に時間をとっていた「固体は流れるか」問題にも急速にピントがあった。よっしゃー。分かった。じゅりおとほるへは間違っている ---- 。玩具模型の数値実験で流れず、玩具模型の理論解析でも流れそうもなかったけれど、それらがあっていた可能性が高い。その証拠に必要なのは、これとこれとこれだな。。