月曜日

先週の木曜日に、GW模型は、にゅーまんとむーあという有名人によって提案されていた、と書いた。朝、ふと気になって、むーあのファーストネームを見ると、、あれれ、ガラスや統計力学で有名なむーあでないやん。その代わり、別の有名人のクリス=ムーアだった。

ちょうど20年前くらいかな、計算論と動力学の接点に焦点があたりつつあった。Poul-El, Richards の「物理における計算論」の本が出たのが1989 年で、京都でも足立さんと池上さんを中心とするセミナーが1990年には立ち上がっていた。僕はそのセミナーには参加せずに、液晶対流の模型を考えていたが、陰的には影響を受けていた。1991年-1992年、僕は、新しいことをしようと色々模索していた。レオロジーや破壊もそうだが、計算過程の力学もその一つだった。ならし運転的にTuring machine の玩具をさわってみたり、UTMをどうしようか、とのんびり勉強していた。そのとき、くりす=ムーアの論文を知った。やっている内実は、お気楽にTMの力学を見ているだけだれど、それを力学系にマップするアイデアが実にうまい。刺激を受けて色々考えた。(が、今でも意義はよくわからない。)彼がまだ20代前半の頃の仕事だ。[彼は23歳のときにコーネルで学位をとった。]

ふぇー、懐かしいな、と数秒くらい過去にトリップしたが、すぐに仕事に戻った。

午後、田崎さんが部屋にきて、「例の話、にゅーまんがやっていたって? ちゃーるず=にゅーまんか?」とファーストネームつきで喋った。「え、まさか。」「にゅーまんっていったって、ぽーる=にゅーまん、だって、にゅーまんだろう。」と田崎さんが言う。慌てて、ファーストネームを確認する。がーん。本日2度目。

僕が有名人だと思っていた「にゅーまん」は、数理物理の研究者で、有限次元ガラス転移の問題に関連して平均場理論の考え方を適用することの危険性を今世紀に入ってのレビューで議論している人だ。[いつも鞄にいれて、少しづつ読んでいる。] 当然、そのにゅーまんは、田崎さんが最初にいった、ちゃーるず=にゅーまん だ。で、GW 模型を提案したのは、まーく=にゅーまん。。。誰だ....?(* 後で調べた。ネットワーク関係で、現在、有名な人だった。僕は認知していなかったけれど。ちなみに、「にゅーまん」「物理」で、検索してでてくるのは、まーく=にゅーまんの方だった。「にゅーまん」「数理物理」だと、ちゃーるず=にゅーまん になる。)

というわけで、GW 模型は、ネットワーク研究者「まーく=にゅーまん」と複雑系研究者である「くりす=ムーア」という、僕より若い二人が10年前に提案したものだった。(僕が勘違いした、にゅーまんとむーあは大御所であり、彼らがやや色物が入った模型を提案すること自体にも驚いたのだけど、そういうわけではなかった。)