火曜日

昨夜、D論審査会と卒研発表会の慰労会があって、気がついたら終電を超えていた。

先週末に予定していた事務的な案件が終わっていないのを気にしつつ、終日バタバタ。3年生のU君が研究室訪問というか雑談にくる。U君は、僕が知っているN君の高校時代からの知人で、その知人関係は先月の「数理の翼」で僕の講義録をまとめてくれたM君にも及んでいて、そのM君の母校で今数学の教鞭をとっているのは、3年生セミナーで無謀な文献(stability of matter)を読んだKさんだ。非平衡マニアックでありつつ、(様々な分野まで)膨大な勉強をする人は、今までもそんなに数がいない。[非平衡は勉強がしにくいので、時間が無駄にかかるから。そんな時間があれば、色々なことを勉強ができる。]勿論、勉強するのと研究するのは違うので、勉強したからといってそれに比例して研究できるわけではない。しかしまぁ、それはやってみないと分からないものだし、(勉強したとしても、してないとしても)今からあれこれ考えても仕方ない。非平衡マニアは希少種だから、うまくいくといいなぁ。

昨日と今日の隙間で、「流れる固体」の論点整理をぼちぼちと。(i) 対称性由来の保存量に対する流体モードと(ii) 対称性の破れにともなうゴールドストーンモード の(iii) 非平衡環境下での応答を(iv) 歪み解放の核生成描像にもとづいて (v) マクロに詳細つりあいが破れることで流れる --- というのが、じゅりおたちの筋(の僕の言葉での翻訳)である。こうやって書くと、別に固体でなくていいので、同じ構造を持つもっとも簡単な模型で(i) - (v) を具体的に考えていた。 どうも、その模型では、(iv) でダメみたい。詳細な検討は次の週末になるけれど、核生成が起こらない、ので正しい気がする。僕は、(v) で破綻する想像をしていたけれど。つまり、この場合は、固体は絶対に流れない。

このことは、ジュリオたちの描像が間違っていることを意味しているわけではない。 (i)- (iii) ---> (iv) がいつも成り立つわけではない、ということをいっているに過ぎない。だから、(iv) が起こる条件は何か? それを実現する最小模型は何か? という点について、最小模型の選択レベルに立ち返って再考すべきだということになっている。僕が面白いと思っているのは、(iv) までOk で (v) が破綻する場合である。さぁてと、、どうでしょうか。