火曜日

この2,3日、random energy model (REM)の動力学で遊んでいた。最初、デリダ模型に自然に動力学をいれてdynamical transition を調べることからはじめようとした。自然な動力学の選択で少し混乱したが、わかればなんでもない。ところが、離散系の扱いに不自由して、簡単なはずなのに手がすらすら動かなかったので、連続版のREMをつくった。これは手が動く。動的転移も確かにあるが、クラスが一意でないので、分類が必要で面倒だ。ここで文献のカンニングをすると、連続版のREM は90年代初頭にかなり調べられている。どうも僕の結果と表面上は違うのでおかしいし、そもそも分類が極めて複雑なようだ。それはそれで面白いし、偶然に僕たちにとって「大変うれしいこと」もあるけれど、今はまだ真面目に向かう気がしない。それでもう一度デリダ模型にもどる。うーんんとうなって、大学から帰る途中で多分計算の方針がわかった。ざざっと書くと確かに動的転移がある。おそらくデリダ模型では、静的転移(RSB)と同じところでおこるのだろう。忘れないうちにメモをつくっておこう。しかし、このあたりもフランス・イタリアを中心とする巨大業界がそびえ立っている。デリダ模型の動的転移の文献はまだ知らないが、これもきっとあるのだろう。[深夜追記:何とかだしたつもりだが、最後は泥まみれになったので、あまり賢くなっていない。難しい。]

太田君からジャミングのレビューを聞く。なるほど、ここ数年の巨大業界の姿がやっと見えてきた。言葉として彼らがいっていた内実を理解しはじめたかもしれない。(太田模型にマップして考えると非常にみやすい。動力学を捨てて、統計力学だけささっと論文を書いてしまうのも教育的かもしれない。でも、それだと巨大業界の後追いだけになので気分は盛り上がらないが。)