火曜日

昨日までにβ領域のスケーリング関数を完全に(数値的に)構成した。先週まで、接続を階段関数でやっていたのだが、(論理が混乱したついでに)ちゃんとやっておこうと作ったのだが、結果はfactor 2よりも小さい程度の変化しかない。完全な定量性の確保には大事だが、今はfactor の問題ではない。。

11月までの岩田さんの計算は大幅に効率化された。(僕が講義をしている合間に)新アルゴリズムでの正しい計算を岩田さんが速やかにつくった。11月までの計算との整合性もいい感じだ。しかし、結果は数値実験と大幅にちがう。

今朝はいよいよ混乱した。論旨チェックをして、またもや間違いを見つけた。特異摂動は難しいのう。。でも、ちょっと難しい数値計算すれば、この関数も求まるので、ここまで来たら強引に数値的にやってしまおう...と速効でプログラムを書く。結果をみると...げ、これだったら手でもわかるはず...あ、確かに。あほだ。で、その結果を使って、修正した式に入れると、まだ遥かに桁が違う。岩田さんと連絡をとりながら、論点を整理するが、全くわからない。ともかく追い込むだけは追い込んだので、これであかんかったら、お祓いにいって撤退しよう。

可能性は三つ。(i) 摂動の組み方の間違い。(ii) β領域のスケーリング関数の計算間違い (iii) 摂動の計算間違い。 (ii) は log t でスケールされる関数だから値ががらっと変わることはあるとはいえ、いい感じの関数形なので桁を変えるのは信じ難い。そうすると(i) か (iii)。(i) はもう知らん。やるだけはやった。残るは(iii) だけか。。しかし、これはもう相当にreliable になるくらいまでチェックしたはずなのだが...。

ねっ転がって、半ばふてくれされて歌を歌いながら摂動の計算結果の式を眺める。うん?なんか違和感を覚えるぞ。ここにこいつがいないのは変だ。それに焦点をあてて岩田さんの計算ノートを見る。これは間違いではないか。ここを直すと.....でた〜!直接数値実験との完璧な一致だ。

α領域のdilational symmetry に付随する不定パラメータを決める式を厳密に書ける。これでMCT eq の漸近展開の主要項が完全にわかったことになる。もちろん、必要があれば高次補正も系統的に計算できる。

理論として大事なことは、このパラメータは素朴なmatching で決めれるものではなく、対称性の結果生じたものだからその対称性に付随して決められる、という僕たにとっては極めて自然な(しかし、流布していない)知見である。そして、ゆらぎを考えるときには、これがゼロモードになるので大事になる。道は間違ってない。