水曜日

講義の準備等をできるだけ早くおわらせて、プログラムを書く。ふふふ。

熱伝導下では圧力は異方的になるので、圧縮率はテンソルになる。平衡条件下の異方的固体の場合にも圧縮率はテンソルになるが、その場合にはテンソルは対称である。この対称性は熱力学の結果である。さて、熱伝導下の圧縮率テンソルには、一般には規則などなさそうである。実際に適当に測ったのでは、何もルールがないだろう。しかし、SST の意味での T, J を一定にした環境下では、熱力学関数が存在するので、圧縮率テンソルは対称になる。これは、僕たちの大変わかりやすい予言のひとつである。

本当かよう....と絶対にいわれるし、理論抜きでは自分たちも半信半疑なので、数値実験で確認したい。それに T, J を一定にした環境(= TJ 環境)のイメージをつくりたい。TJ 環境が存在する、、というのはなかなか理屈だけで説明しにくいし、自分たちの感覚があっているかどうかもうひとつ確信がもてなかったから。さらに、今のSST がつくれるのはJ^2 のオーダーまでなので、激しい熱流がある場合はだめで、そういう適用限界の感じもみたい。

圧縮率の異方性テンソルを直接測るのはプロにまかせ、それと本質的に同じことを簡単なモデルでやることにした。まず、バルクハミルトン系で TJ 環境をつくる。ここまでが実際の作業の9割以上で、それをつくったのちに、↑の意味での相反性を測るプログラムをさっと書く。もちろん、平衡からは大幅にずれたところでの相反性をみる。ラフにいって、A地点の摂動に対するB地点の応答とB地点の摂動に対するA地点の応答をみているのだが、A地点とB地点での運動論的温度は40パーセント程度ちがっている。(つまり、局所平衡の範囲の相反性ではない。)

準備段階だけど、非常にいい感じである。「ひとけた目」はあっている! 想定していたTJ 環境がほぼできているので、成り立つはずだけど、やはり数字がでてくると素直に嬉しい。さぁ、詰めていこう。久し振りにシェルスクリプトを書いてプログラムをだだだーと流しておく。