日曜日

朝、昨年の9月上旬にした計算の確認と手書き清書。僕が導いたlarge deviation の表現で線形揺らぎに限定すれば、Spohn の古い話に帰着されるはずで、その最終チェックである。バグチェックみたいなもの。Spohn の論文が手許にないので、今日のところは、たぶんこんな感じだったな、、くらいしかわからないが、空間平均密度の揺らぎの局所平衡からのずれについては、係数まで含めて記憶しているので、その計算まで確認する。よし、ぴったり1/12 になった。(ちなみに、この係数 1/12 は非平衡境界格子模型の数値実験でも綺麗に測定できる。)

この計算は、(非対角項のある)高次元のガウス積分を制御したり、摂動的に逆行列をもとめたり、境界条件つきグリーン関数をとばしたり、∞級数和をもとめたりで、ちょうど2年生の物理数学で確実に抑えるべき題材でもある。今年の冬学期に、2年生の物理数学を新たに担当することになっているので、このあたりの「大学1年の解析学線形代数をちょっと超えているが、実践上は頻出する算数」にどのようにして興味をもってもらい、かつ、使えるようになってもらうか、、コンスタントにバックグランドで考えている。そういう意味で、今日みたいな計算を自分でするのは、その準備としてもよい機会になった。

午後、(朝の計算をうけて)千葉学会の論文。今月中のver.-1 完成にメドがたったかな。GW 中にver.0 にあげれば、6月冒頭に投稿できるだろう。これを研究していたのはちょうど1年前ああたりで、おたおたしながら本道はボツにして、秋の学会にあわせて小さくまとめた話だから、随分時間もたっているし、思い入れは全くなかった。Dresden にいく動機づけとして、優先順位をあげたにすぎなかったのだが、論文として形になってくると、細かいところでのアイデアとそれなりに面白い結果のバランスがよい気がしてきた。こういう論文があってもいいだろう。